伊藤忠、成田空港でエティハド航空にSAF供給 日本初の取り組み

伊藤忠、成田空港でエティハド航空にSAF供給 日本初の取り組み

ニュース画像 1枚目:エティハド航空 イメージ (BOEING737MAX-8さん 2022年3月6日撮影)
© FlyTeam BOEING737MAX-8さん
エティハド航空 イメージ (BOEING737MAX-8さん 2022年3月6日撮影)

伊藤忠商事は2022年5月27日(金)、エティハド航空への持続可能な石油代替航空燃料(SAF)の販売契約を締結したと発表しました。伊藤忠は2022年6月から、フィンランド本社のネステ(NESTE OYJ)が生産するSAFを成田国際空港でエティハド航空の機体の燃料タンクに給油します。今回の契約は、国内の空港で海外の航空会社へのSAF供給では、日本初の取り組みです。

伊藤忠は、2020年に全日空(ANA)、NESTEと協働でSAF輸入・品質管理、空港搬入までの国内サプライチェーンを構築し、2022年2月にNESTEとSAFの日本市場向け独占販売契約を締結しています。航空機へ給油するサプライチェーンを整備した伊藤忠は、エティハド航空への供給を皮切りに、燃料タンクなど給油インフラを日本に持たない海外航空会社向けにSAF供給を拡大し、日本政府や航空業界が掲げるカーボン・オフセットの目標達成に貢献します。

コロナ前の2019年、日本と海外の航空会社が国内で給油する航空燃料は年間およそ1,300万キロリットル(kl)でした。政府は2030年まで、ジェット燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、約130万klが必要とされています。

伊藤忠は、NESTEの生産したSAF販売だけでなく、国産SAF供給の実証実験への参加、主要空港の成田と羽田での供給体制確立に重点を置き、取り組んでいます。エティハド航空との販売契約もこうした活動の1つで、2030年のSAF10%の目標達成に取り組みます。このうち供給体制は、成田、羽田を最優先として、主要空港で整備に力を入れる方針です。供給先は航空会社だけでなく、ビジネスジェット等も視野に活動を展開する予定です。

なお、NESTEは現在、SAFの供給量拡大に取り組んでいます。シンガポール工場の拡張、オランダ工場の改修で、2023年末に年産150万トンを生産する体制に規模を拡大します。これは現在の15倍の供給規模ですが、世界で必要な航空燃料は年3億トンと言われ、引き続き原料調達の多様化やサプライチェーンの構築、生産時の現在の技術向上やイノベーションの取り組みなど、投資を継続する方針です。

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