Airbnb、中国での事業を終了へ ロックダウンなど影響
米民泊仲介サイトのAirbnb(エアビーアンドビー)が、中国での事業を終了することが23日、明らかになった。中国では、新型コロナウイルスの感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策のロックダウンが続いている。
情報筋によると、同社のウェブサイトから、中国の住宅や体験のリストが夏までにすべて削除される。
ここ数年、中国での宿泊はAirbnbの収益の1%程度しか占めていない。
同社は今後、中国から海外へ旅行する人へのサービスに力を入れるとみられる。
国連世界観光機関(UNWTO)によると、パンデミック前には、中国人の海外旅行者は10年足らずで3倍に増加。2019年の旅行回数は1億5500万回に達していた。
しかし、2020年以降は、中国が世界で最も厳しい感染対策を取っていることから、国内外への旅行が極めて困難になっている。
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以前から高コスト
Airbnbは2016年に中国での事業を開始した。以来、約2500万人の利用者が、中国での宿泊を予約している。
しかし、同社の決定に詳しい人物は、中国への旅行者向けの事業について、パンデミック以前から複雑で運営コストが高かったと述べた。
例えば、利用者の詳細情報は、現地の法規制に従って、中国政府に送信されていた。国内の競合他社との厳しい競争にも直面していた。
2017年には、事業拡大に向けた取り組みとして、中国での事業者名を、北京語話者が発音しやすい「愛彼迎」(アイビーイン、愛をもって互いに歓迎するという意味)に変更した。