札幌駅前新複合ビル28年度完成 1年前倒し、総工費未定
JR北海道は18日、北海道新幹線の札幌延伸にあわせて札幌駅前に整備する複合高層ビルが2028年度に完成すると発表した。時期は1年前倒しになる。22年秋の都市計画決定を目指し、23年度中に着工する。
島田修社長が18日開いた記者会見で明らかにした。「北5西1・西2」地区に建設するビルの高さは約245メートル。札幌駅前に建つJRタワー(約173メートル)を上回る。
延べ床面積は約38万8500平方メートル。地上43階・地下4階建てで、総工費は「検討中」(島田社長)。JR北海道と札幌市などで構成する再開発の準備組合が事業を担う。
35~40階には米ホテル大手マリオット・インターナショナルと提携した約200室の最高級ホテルが開業する。
中層階(10階、14~17階)にも約300室のホテルが入居する。JR北海道ホテルズ(札幌市)が展開するビジネスホテル「JRイン」と、シティーホテル「JRタワーホテル日航札幌」の中間の価格帯になる見込み。
41~43階には展望フロアを設ける。10~12階と18~33階はオフィス、地下1階~地上10階は商業施設を置く。札幌駅の新幹線改札と直結し、在来線や地下鉄などへ乗り換えがしやすいよう吹き抜けのアトリウムを設ける。1階にはバスターミナルを集約し、2階にバスの待合室も整備する。
今後は特別目的会社(SPC)を設立し、投資を募って建設に向けた財源を確保する方針だ。島田社長は「当社が持続的に鉄道を運営するために(再開発ビルは)経営基盤強化策として欠かせない。全社を挙げて取り組んでいく」と話した。