公務員御用達の京都平安ホテル、経営難で6月末に休業、全職員解雇へ

河原田慎一
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 京都市上京区の「京都平安ホテル」が6月末で休業し、臨時職員を含む約50人全員が解雇されることが18日、分かった。運営する地方職員共済組合京都府支部(支部長・西脇隆俊知事)によると、コロナ禍で利用者が減り、資金繰りに行き詰まる見通しとなったという。

 同ホテルは1980年開業。道府県職員の福利厚生施設として建てられ、会議や宿泊に利用されてきた。修学旅行生など一般客も受け入れ、敷地内にある日本庭園は高く評価されている。

 府支部によると、ホテル事業は公金の支援を受けない独立採算制。建設費などの長期借入金は事業収入で返済してきた。2020年度は新型コロナウイルス感染者の宿泊療養に使われたが、21年度も業績が低迷し、年1億円以上の赤字となった。4月26日に職員向けの説明会を開き、解雇を通告したという。

 府支部の担当者は「心苦しいが、もはや事業継続は困難だ。職員には丁寧に説明し、再就職支援などを進めたい」と取材に話した。

 一方、ホテル職員5人が今月18日、府庁で記者会見を開き、「(コロナ軽症者の)受け入れ施設として途方もない仕事量だったが、役目が終われば解雇、と聞いて本当に残念だ。やむなく解雇というなら納得がいく条件が示されるべきだ」などと憤った。職員の一部は労働組合の分会を結成し、「ホテル閉鎖を撤回して雇用維持のための経営改善努力を」などと求める西脇知事あての要求書を12日に提出したという。(河原田慎一)

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