調査会社GlobalDataは4月22日、サブスクリプション型のサービスがコロナ後の旅行業界を変革する可能性があると説明した

世界の旅行業界で最も成功している事例の一つは欧州のOTAであるeDreams Odigeoのその名も「プライム」で、年会費を支払うことで航空券などの割引を受けられる仕組み。同社のプライム会員数は昨年5月に100万人を突破したが、この2月には240万人を超えて2025年度には725万人突破を見込むなど急成長をとげている。

また中小旅行会社でも、コロナ禍をきっかけに重要顧客に限定してサービスを提供し、安定した収入を得ようとする試みが広がっているところ。

GlobalDataの資料ではこうした流れを裏付けるデータも示しており、これによると旅行や観光に関するサブスクリプションについての特許活動も増加し、2017年から2021年の期間では年平均の成長率が10.4%に達した。2021年のサブスクリプションに関連する特許公開は7936件だったという。

そしてその上でGlobalDataでは、「サブスクリプションは通常1回限りの購入で終わるエンゲージメントを持続的な関係にするための魅力的な方法」であると指摘。世界の消費者の35%が時間の節約が購入の重要な決定要因と回答し、他の46%も必須ではないが時間の節約は望ましいと回答した調査もあるといい、パーソナライゼーションへのニーズにも応えることで会費を上回る価値と利便性を提供できる可能性があるとしている。