国内線777がホテルの客室に復活 JALと東京ベイホテル東急、機内モチーフのコラボルーム

日本航空(JAL)と東京ベイ東急ホテルは、退役する航空機のシートや窓枠などを設置した客室「ウイングルーム」を4月28日から展開する。

東京湾を一望できる広さ43平方メートルの2名用客室「スーペリアラージコーナーツイン」のうち、10階の1008号室の室内に、退役するボーイング777-300型機から取りおろした座席やサイドウォールパネル(窓枠パネル)を設置した。台座には航空機の部品輸送に使っていた木箱の廃材を使用し、その下にはボーイング777-200型機で使っているカーペットを敷いている。さらに、国際線で使用していたミールカートを置くなど、本物の航空機部品を使うことで機内の雰囲気を再現している。座席には国内線ファーストクラスのシートカバーの端材を活用した雲形のクッションを置いた。

JALグループで航空機の整備を担当するJALエンジニアリングは昨年から、従来は廃棄していた使用後の航空機部品を活用するため、パーツを加工したオリジナル商品を開発・販売するなど、廃棄物の削減に取り組んでいる。同社部品サービスセンター企画グループの矢田貝弦主任によると、シートなど大型廃材の活用方法を検討していたところ、コンセプトルームの展開を検討していた東京ベイホテル東急から提案を受けてコラボレーションに至ったという。

期間は2023年4月25日までの1年間の予定で、料金は2名1室13,200円から。JALの国際線ビジネスクラスで提供している「メゾンキツネ」のアメニティセットと、搭乗券を模した宿泊証明書が付く。東京ベイ東急ホテルによると、すでに5月末までほぼ予約が埋まっている。JALエンジニアリングでは今後も、廃材を活用した家具の製作など、企業と連携した取り組みを検討しているという。

▲雲形のクッションは女性整備士のアイディア

▲座席のテーブルを出して機内の雰囲気で食事を楽しんでもOK

▲「ウイングルーム」の企画に携わった整備士の田原早姫さん。ルームナンバーを示すオブジェはエンジンブレードを加工したもの