都城にホテルなど複合施設オープンへ、宮崎の都城大丸跡

中島健
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 宮崎県都城市の老舗百貨店「都城大丸」の閉店から約11年4カ月。跡地を含む中心市街地に、ホテルやスーパーマーケットなどの複合施設「TERRASTA(テラスタ)」が29日、オープンする。市は隣地に中核施設「Mallmall(まるまる)」をすでに整備しており、これで跡地再開発は完了する。

 テラスタは地元企業などでつくる「センター・シティ」が建設。地上7階建てで、3千平方メートルの市有地を借り、1階にスーパー、4階以上に93室の客室があるホテルが入る。

 ホテルテラスタは、小田急電鉄系の会社「UDS」に運営を委託。テラスを含め156平方メートルのスイートルームや、南九州にゆかりの漆や和紙作家らとコラボした客室を備えるなど、デザイン性を高めて地元の宿泊施設と差別化した。都城大丸閉店後、市街地での買い物が不便になっており、スーパーではこだわりの肉や魚、野菜を提供する。

 2階に都城商工会議所などのオフィスやテナントが入り、3階にはホテルのフロントのほか、レストランやバーベキューテラスを設けた。同社は一時、11階建ての施設を計画したが、資金調達が難航し、約51億円に膨らんだ総事業費を37億円に圧縮した。

 21日に記者会見したセンター・シティの安田耕一社長(都城商工会議所会頭)は「中心市街地の象徴だった都城大丸の閉店は大きな衝撃だった。危機感から再開発の活動はスタートしたが、長い時間を要し大変な心配をおかけした」と陳謝。「市街地の活性化と定住の増加に役立ち、南九州観光の拠点となることを期待する」と語った。

 呉服店を前身とする都城大丸は2011年1月、地元の経営会社「大浦」の破綻(はたん)により閉店。都城商議所の会員を中心に受け皿会社が跡地を取得した。

 跡地の再開発は、公共と民間に分けて行うことになり、市が15年度、跡地を含む約1万2千平方メートルを買い取り。うち9千平方メートルを対象に、センターモール跡を市立図書館に改修し、子育て世代活動支援センターを建設するなどして18年4月にまるまるをオープンした。今年2月末現在で約550万人が来館している。

 安田社長は「まるまると相乗効果を発揮することで魅力あるエリアとなり、利用者が周辺を回遊することで市街地全体の活性化につながる」と話した。(中島健)

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