万博の年に訪日客1500万人 大阪知事市長ら会合

大阪府市と関西経済3団体のトップによる会合で発言する吉村洋文知事=25日午後、大阪市中央区(井上浩平撮影)
大阪府市と関西経済3団体のトップによる会合で発言する吉村洋文知事=25日午後、大阪市中央区(井上浩平撮影)

大阪府市と関西経済3団体のトップによる会合が25日、大阪市内で開かれ、2025年大阪・関西万博が開かれる令和7年のインバウンド(訪日外国人客)数について1500万人を目指すことなど、新型コロナウイルス禍からの観光復興に向けたロードマップ(工程表)が示された。富裕層による消費拡大を狙い、VIP向けの港湾整備が必要との指摘もあった。

大阪観光局によると、大阪を訪れたインバウンドによる観光消費の推計額は、平成26年の2661億円から5年後の令和元年に1兆5665億円まで増加。来阪者数は平成27年は716万人で、令和元年には最多の1231万人を記録したが、コロナ禍で2年は9万人まで落ち込んだ。

工程表では、国内旅行の需要取り込みを強化するなど観光関連事業者の経営維持を支援しながら、4年のインバウンドの来阪者数についてコロナ前の3割の350万人を目指すとした。

さらに、5年は「コロナ前の水準に戻す」として1300万人、万博開催の7年に1500万人、大阪・夢洲でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)開業なども見据え、12年に2千万人を目標に掲げた。

万博に向けて海外の富裕層の来阪が見込まれることから、港湾機能の強化の必要性も指摘された。関西空港でのチャーター機の出入国対応を強化することや、大阪市内から近隣府県に移動するためのヘリポート整備について、万博で活用が想定される「空飛ぶタクシー」の環境整備と合わせて進めることなどを求めた。

会合に出席した大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス相談役)は「万博は大阪の観光回復にとっての節目だ。人々の意識や行動の変容に基づきマーケティングを進める」と強調。吉村洋文知事は「今は近距離旅行の需要獲得に力を入れるべき時期だが、コロナを乗り越え、インバウンド対策を強化する工程表にしっかり対応したい」と話した。

会員限定記事会員サービス詳細