ワーケーション誘致へ道が発信強化 サイト充実、大手企業と協定

中野龍三
[PR]

 余暇を楽しみながら仕事もする「ワーケーション」の誘致へ向け、北海道が情報発信を強化している。ポータルサイトをリニューアルして充実させたり、大手企業と連携したりするなどの取り組みを進める。新型コロナウイルスの感染拡大で働き方が大きく変わる中、ワーケーションへの注目も高まりつつある。

 ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語。観光地やリゾート地で休暇を楽しみながら、合間やその前後でリモートで仕事もする新しい生活スタイル。休暇取得の促進や心身のリフレッシュによる効果など企業や社員に有益とされ、数年前から注目され始めた。コロナ禍でテレワークが普及したこともあり、コロナ後の新しい「働き方」「休み方」として注目されている。

 道は2019年度から本格的なワーケーション普及・展開事業に着手。自然や食など多様な観光資源をいかして、参加者のあらゆるニーズにオーダーメイドで対応する「北海道型ワーケーション」を掲げ、現在66市町村と連携し、モデルプランを作ったり、首都圏でニーズ調査をしたりしてPRに努めている。

 昨年11月にはポータルサイト(https://hokkaido-work-vacation.com別ウインドウで開きます)をリニューアル。地域の魅力を紹介し、希望者と市町村をつなぐワンストップの無料相談窓口としてすでにあったサイトに、目的や人数、働く環境といったさまざまな条件でモデルプランや地域を検索できる機能を追加した。

 実際に道内でワーケーションをした人の体験記やお得情報、地域で活躍している人を紹介する「つながる『人』」も掲載。道地域政策課の担当者は「地域のキーパーソンとつながることで、リピーターになってもらえる」とねらいを話す。

 また道は富士通とのパートナーシップ協定も締結。グループ会社を含め国内に約8万人の従業員がいる同社のワーケーションの受け入れ先候補となって実績やノウハウを蓄積するほか、同社と連携してPRも行う。従業員の一部を道内で受け入れる計画も進んでいるという。

 道の調査によると、テレワーク施設などを利用して道内でワーケーションをした人は、20年度は延べ1万3743人。道は25年度に約7倍の延べ10万人に増やす目標を掲げている。道は今後、札幌圏や首都圏へのPRに力を入れる考えだ。

 道地域政策課の担当者は「道内は人口減少が進んでいる。ワーケーションで地域に関わる人口が増えれば、移住や定住にも結びつく。サテライトオフィスなど企業の進出にもつながれば」と意気込む。(中野龍三)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら