年末年始の国内旅行者、2019年度比4割減 JTB予測
JTBは9日、年末年始期間(2021年12月23日~22年1月3日)の旅行動向見通しを発表した。国内旅行者数は1800万人と、新型コロナウイルス禍前の19年度と比べて38.5%減を見込む。20年度と比べると80%増と大きく回復した。感染者数は落ち着いているものの、新たな変異型「オミクロン型」など懸念は続く。
アンケートや販売状況、航空会社の予約状況などから予測した。海外旅行者数は20年度に引き続き、大手旅行会社が海外ツアーを開催していないことから予測を見送った。
国内旅行の旅行消費額は5760億円を見込み、19年度比で38.4%減。1人あたりの平均費用は3万2千円と、19年度と同程度だった。JTBが11月中下旬に全国1万人を対象に実施したアンケートでは、旅行に対する支出を「増やしたい」と答えた人が8.4%だった。一方「減らしたい」と答えた人は44.4%に上り、慎重な姿勢が続く。
旅行に行くと答えた約1500人を対象にしたアンケートでは、宿泊日数は1泊2日が36.3%で最多だった。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業の再開が22年1月中旬以降で調整されていることから、「県民割」などを使った居住地域内の近距離旅行が中心となる見込みだ。
「オミクロン型」の感染者も確認されるなど、国内の感染状況は先行き不透明だ。JTBの調査では、政府から移動自粛などの要請が出た場合の旅行の対応について、「延期または中止」や「変更する」などと答えた人は計50.8%。旅行需要回復に向けて、感染の影響は続きそうだ。
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