日本旅行業協会、新会長にJTB高橋会長
日本旅行業協会(JATA)は7日、菊間潤吾会長が辞任し、後任に高橋広行会長代行(JTB会長)を選出したと発表した。菊間氏は自身が代表取締役を務めていた旅行会社で、雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給していた疑いが出ている。菊間氏は「不祥事の対応に専念するため」として辞任を申し出ていた。
菊間氏の辞任は3日付けで、高橋新会長の選出は6日付け。菊間氏が代表取締役を務めていたワールド航空サービス(東京・千代田)は、企業が従業員に払う休業手当の費用を助成する雇調金を不正受給していた疑いがあるとして、労働局から調査を受けている。同社が設置した第三者委員会は11月30日、不正が疑われる雇調金は総額約1億7800万円に上るとの調査報告書を公表していた。
JATAではこの問題を受け、11月17日付けで高橋氏を会長代行に選出した。第三者委員会の調査報告書が発表されてから菊間氏の処遇を決めるとしていたが、12月3日に菊間氏が辞任届を提出。6日に臨時理事会を開き、後任として高橋新会長を選出した。高橋氏は「観光業界は新型コロナウイルス禍で厳しい状況が続いている。このような重大局面で会長を務めることとなり、観光の再生に向けて尽力する」とコメントを発表した。
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