助成金不正受給疑い 「日本旅行業協会」会長 労働局調査認める

「日本旅行業協会」の会長が代表取締役を務める東京の旅行会社が「雇用調整助成金」を不正に受給した疑いが出ている問題で、会長が10日朝、報道陣の取材に応じ、労働局の調査を受けていることを認めたうえで、第三者委員会を通じて数日中に調査結果を取りまとめる考えを示しました。一方、自身の関与については否定しました。

「日本旅行業協会」の会長、菊間潤吾氏(69)が代表取締役会長を務める東京の旅行会社「ワールド航空サービス」は、新型コロナウイルスの感染が拡大した去年から社員を休ませているように装う、うその書類を国に提出し、雇用調整助成金、少なくともおよそ7000万円を不正に受給していた疑いがあることがNHKの取材で明らかになりました。

これを受けて、菊間会長は10日朝、都内の自宅前で報道陣の取材に応じ、「詳しい事実関係はまだ分からない」としたうえ、不正受給の疑いで東京労働局の調査を受けていることを認めました。

また、外部の弁護士などで作る第三者委員会で調査を進めていることを明らかにし、数日中に調査結果を取りまとめる考えを示しました。

一方、自身の関与について会長は「ふだんは社員とは別の階にいるため、現場の実態をつかめていなかった。労働局の指摘で初めて知った」などと述べ、否定しました。

「日本旅行業協会」の会長職については、「調査結果によっては辞任することもありえるが、そこは理事会の判断に委ねるしかないと思う」と述べ、進退については明言しませんでした。

日本旅行業協会「事実関係を確認中 コメントできない」

菊間氏が会長を務める「日本旅行業協会」はNHKの取材に対し、「報道を受けて今回の事態を把握した。会社に対して事実関係を確認中のため、現時点でコメントできることはない」としています。