ANAと米社、衛星打ち上げで基本合意 飛行機を利用
ANAホールディングス(HD)は5日、航空機を利用して人工衛星を打ち上げる事業を手がける米ヴァージン・オービット(カリフォルニア州)と日本での人工衛星の打ち上げ事業の推進で基本合意したと発表した。ANAHDが衛星搭載スペースの販売や地上支援などで協力する。大分空港(大分県国東市)の活用を検討しており、2022年以降の10年間で20回の打ち上げを目指す。
両社は19年6月に提携し、事業化に向けた検討を行ってきた。オービット社は「ジャンボジェット」と呼ばれる米ボーイングの「747-400」の改造機に衛星を載せたロケットを固定し、高度約10キロメートルの空中から打ち上げる事業を手がけている。今後日本国内での人工衛星の打ち上げ実現へ具体的な協議を進める。
ANAHDは日本での事業展開に必要な許認可の取得や、地上支援機材の手配などを担うほか、衛星を搭載するロケット内のスペースを販売する。
航空機を使って上空から人工衛星を打ち上げることで、発射地点を選びやすく、天候に左右されにくい。地上から垂直に打ち上げる場合と比べ燃料消費も少ない。ANAHDは宇宙旅行などの新事業の創出を目標に掲げており、18年には日本の宇宙飛行機開発スタートアップ、PDエアロスペース(名古屋市)に出資した。