リモート観光事業化へ 三菱UFJ支援のスタートアップ拠点

スタートアップ支援拠点「MUIC Kansai」について話す三菱UFJ銀行の谷口宗哉副頭取=大阪市中央区(岡本祐大撮影)
スタートアップ支援拠点「MUIC Kansai」について話す三菱UFJ銀行の谷口宗哉副頭取=大阪市中央区(岡本祐大撮影)

三菱UFJ銀行などが立ち上げた、スタートアップ企業の支援拠点「MUIC Kansai(ミューイックカンサイ)」(大阪市中央区)で実証実験を進めているリモート観光の取り組みが、今年度内に事業化される。同行はMUICを通じて新事業の種を育てる方針で、2025年大阪・関西万博の開催時期までに20件以上の事業化を目指す。

同行の谷口宗哉副頭取が産経新聞のインタビューで明らかにした。ワクチン接種の普及で「よりスピーディーなアイデア出しの機会が生まれる。20件以上は不可能な数字ではない」と述べた。

リモート観光事業は、スタートアップが開発したカメラやマイク付き機器を通じて、大阪や奈良の観光地の様子を自宅などに配信する実証を進めていた。現地観光ガイドとリアルタイムでやり取りできるのが特徴だ。外出を控える高齢者や、同行提携先の海外銀行顧客の取り込みを目指す。

MUICは今年2月設立。関西地盤の大企業が会員で、スタートアップの技術を活用し、観光がテーマの新サービスのビジネス化を進める。

同行は大学や自治体などと連携し、スタートアップ支援を進めている。谷口氏は「新規株式公開(IPO)支援や大手とのマッチングなどはわれわれの重要な使命だ」と述べた。

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