長崎市 「宿泊税」料金に応じて設定へ 一律200円案見直し

 長崎市は、導入を検討している宿泊税について、1人1泊につき一律200円としていた当初の税額案を見直し、宿泊料金に応じて段階的に税額を100~500円とする方針を明らかにした。宿泊事業者から、宿泊料金にかかわらず同額が課されることに「不公平」との意見が上がっていた。新型コロナウイルス感染症の収束状況などを見極めながら、2023年中の導入を目指している。
 市によると、新しい案では、いずれも1人1泊につき宿泊料金が1万円未満は100円、1万円以上2万円未満は200円、2万円以上は500円と設定。当初の案では最高で税率4%程度となる可能性があったが、新案は1.0~2.5%程度となるよう見直した。従来の方針通り、修学旅行などは課税が免除される。
 宿泊税の導入を巡っては、20年9月に有識者の検討委員会が市に報告書を提出。その後、宿泊事業者との意見交換の中で、「高額でも低額でも同額が課されるのは不公平感がある」「宿泊者の負担率を考慮すべきだ」との声が上がった。
 税収規模は年間約4億4千万円と想定。今後、「2万円以上」の価格帯のホテルが増えることも考慮して試算した。当初の想定(約4億9千万円)より、1割ほど少なくなる計算だが、市理財部は「問題はない。観光をレベルアップさせるための税であり、最大限有効活用して好循環につなげたい」としている。
 導入時期の目標は新型コロナの影響もあり、当初の22年秋から23年中に延ばした。今後、条例案の市議会への提出や総務省との協議、事業者への説明などの準備を進めていくという。

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