垂水市、JALと協定 カンパチなど養殖 輸出拡大視野

稲野慎
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 国内有数の養殖漁業の拠点として知られる鹿児島県垂水市日本航空(JAL)は、特産品開発や地域活性化がテーマの連携協定を結んだ。市はJALのネットワークを使った鮮魚の輸出拡大や人材育成に期待し、JALは市の豊富な特産品や観光資源に注目している。

 錦江湾に面する垂水市は全国有数の養殖のカンパチやブリの産地。市は国内の人口減少を見据え、鮮魚や農産物の海外販路の開拓に力を入れてきた。一方、海外から日本への観光需要を拡大させたいJALは、鹿児島のシンボルである桜島が見渡せ、鮮魚など特産品も豊富な市に2019年ごろから関心を寄せていた。

 市とJALが協議した結果、20年1月にはタイ・バンコクで、JALが企画した垂水市のカンパチの食材フェアを開催。現地で好評を得たことを受け、以後、市のカンパチとブリが週2回、定期的にタイにJAL便で空輸されている。

 こうした経緯を踏まえ、市とJALは今年7月に協定を締結。市は鮮魚の輸出拡大や国内の空港での鮮魚販売なども期待する。さらに、JALが地域振興への協力を目的に発足させた「ふるさとアンバサダー」の客室乗務員らが、市の特産品開発にアイデアを出したり、市職員らに接客マナーを教えたりすることも想定されている。

 垂水市の担当者は「国内外に強みをもつJALと協定を結べたことは市にとっては大きな成果。地域振興と経済の活性化につなげていきたい」と話している。(稲野慎)

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