ゲストハウスで「お試し同棲」を…インバウンド見込めずカップル向けプラン

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 新型コロナウイルスの感染収束が見通せず観光需要が回復しない中、大阪府泉佐野市などでゲストハウスを運営する会社が、「宿泊先」ではなく「短期居住先」として活用してもらおうとPRを始めた。1週間単位でのカップルでの利用を想定したプランを用意し、「お試し 同棲どうせい 」と命名。「非日常」ではなく「日常」を体感してもらうことで、将来的な定住促進にもつなげる考えだ。(北口節子)

「お試し同棲プラン」で借りることができる戸建て住宅の一つ(泉佐野市で)
「お試し同棲プラン」で借りることができる戸建て住宅の一つ(泉佐野市で)

 プランを考案したのは、泉佐野市内の空き家を改修して、2018年から地域体験型ゲストハウス「さのさんち」を運営している会社「Reivalue(リアイバリュー)」(東京)。

 コロナ禍以前、関西空港に近い同市では、インバウンド(訪日外国人客)を見込んでゲストハウスや民泊施設が次々にオープンして活況を呈していた。しかし、昨春からの感染拡大で入国のみならず外出そのものも制限され、宿泊需要は激減した。

 そんな中、同社では「大阪市内への交通の便がよく、新鮮な食材や自然も楽しめる。『暮らしやすさ』を売りにすることで新たな利用を掘り起こせないか」と発想を転換。今年3月、カップルが2人で暮らす体験ができるプランをスタートさせた。

食事のほか仕事場としても使えるリビング(泉佐野市で)
食事のほか仕事場としても使えるリビング(泉佐野市で)

 必要なのは1週間ごとの家賃のみで、広さ(2K~7LDK)に応じて3万2400円~7万4000円。光熱費やインターネット通信費は家賃に含まれる。エアコン、洗濯機などの家電やソファ、ベッド、食器類は備え付けられており、賃貸物件のような敷金や礼金も不要。最長1か月間滞在できる。

 7月末までに5組が利用し、「広いキッチンで2人で料理や片付けをした。共同作業が増えて関係が深まった」(30歳代女性)、「2人で過ごす時間が増えたことで、お互いの合わないところが気に障るように。けんかもしたが、おかげで相手を理解できた」(20歳代男性)などの感想が寄せられているという。

 同社では、自転車を貸し出したり、一部の物件で電気自動車(EV)の充電スタンドを設置したりするなど、より「日常生活」をイメージできるようサポートを充実させている。

 広報部の渡辺葉一さん(30)は「ゲストハウスを『生活体験』の場と捉え、まずは地域のファンになってもらい、最終的に定住してもらえれば」と話している。

 プランは泉佐野市のゲストハウスを中心に9物件。問い合わせや申し込みは、リアイバリューが運営する「さのさんち」のウェブサイト(https://sanosanchi.reivalue.co.jp/otameshi/contact/)。

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2298304 0 経済 2021/08/19 16:41:00 2021/08/19 16:41:00 2021/08/19 16:41:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210819-OYT1I50051-T.jpg?type=thumbnail

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