山梨県が官民をあげ、サウナを新たな観光資源として、その強化に乗り出している。県はキャンプ場や宿泊施設に野外用のサウナを用意する「アウトドア・サウナ」で〝聖地化〟を打ち出した。富士急行も「サウナリゾート構想」を進める。アフターコロナを見据え、ブームのサウナを題材に、新たな地方創生や観光需要拡大を図る取り組みだ。
自然の中で「ととのう」
「自然が豊かで、東京都心からも近いという利点を生かして、アウトドアサウナを新たな魅力として、訴求していきたい」
サウナ愛好家である「サウナー」を自称する山梨県の長崎幸太郎知事は12日、丹波山村の「道の駅たばやま」で県が主催したアウトドアサウナ普及促進のイベント「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」で、こう強調した。
アウトドアサウナは、煙突を外部に出せる造りとなっているテントの中で、薪ストーブや熱した石を置いて、通常のサウナのような高温状態をつくる。設備も10人が入れる大きなものから、ストーブ、煙突、テントなど一式の装備を1人で背負えるコンパクトタイプがある。価格も約10万円からとリーズナブルだ。
アウトドアサウナで温まった体は、屋外の冷水プールや川で、冬場であれば雪の上に寝転んで冷やすことができ、自然の中や屋外で「ととのう」というリフレッシュ状態にできる。