【5月6日 AFP】オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は6日、豪カンタス航空(Qantas Airways)と日本航空(JAL)が申請した運賃設定やコードシェア、運航スケジュールをめぐる共同事業契約について、運賃の値上げにつながる可能性があるとして、認可しない方針を示した。

 カンタスは昨年末に申請したJALとの5年契約について、豪、日本、ニュージーランドの29都市間を結ぶ路線で乗り継ぎの利便性を高めることで、新型コロナウイルス流行の影響からの復興を促進し、「顧客サービスを向上させる」と主張していた。

 しかし、ACCCは両社が提携すれば「競争を深刻に阻害」し、「カンタスとJALが乗客獲得のため競争する可能性が完全に排除される」と指摘した。新型コロナの感染拡大前、東京と豪シドニー、メルボルンを結ぶ路線は両社による寡占状態だった。

 ACCCは、航空会社の回復を支援するため例外を認める可能性はあるとしつつ、長期的な競争の低下と引き換えにはできないと説明。ロッド・シムズ(Rod Sims)委員長は、「ACCCが契約を認可できるのは、提携による公共の利益が競争への悪影響を上回る場合のみだ」として、「現段階では、カンタスとJALの申請がその評価基準を満たすとは考えていない」と述べた。

 ACCCは5月27日までカンタスとJALから意見提出を受け付けており、その後、最終決定を下す。(c)AFP