JR東海、奈良の高級ホテルの規模拡大 開業は2030年度

JR東海グループは、奈良市内で建設を計画している高級ホテル「ホテル 寧 奈良」について、当初計画よりも規模を拡大して2030年度に開業すると発表した。客室数は70室の予定だったが、隣接地を新たに取得したことで100室に増やす。海外からの富裕層などの需要開拓を狙う。
JR東海とジェイアール東海不動産(東京・港)、ジェイアール東海ホテルズ(名古屋市)の発表によると、従来の予定地の東側の土地を新たに取得した。一体的に開発することで当初より客室数を増やした。大通りに面するホテル南側には宿泊しない観光客らも利用できるレストランやラウンジを設ける。
ホテルの新たな計画は、敷地面積が約4160平方メートル。建物は地上4階(一部5階)、地下1階の鉄骨造りで、延べ床面積は約8630平方メートル。
「ホテル 寧 奈良」の建設に際し、JR東海グループは米ホテル大手のハイアット・ホテルズ・コーポレーションと提携した。同ホテルはハイアットの高級ブランド「アンバウンドコレクション by Hyatt」として展開される。

ホテルの規模を拡大したことについて、JR東海は「より多くのお客様に奈良の魅力を感じていただきたい」(広報担当者)としている。

新ホテルの建設予定地は奈良県中小企業会館と旧奈良商工会議所会館の跡地で、観光客が多く利用する近鉄奈良駅から徒歩2分の場所にある。跡地を宿泊施設として一体開発するため、奈良県は23年に公募型プロポーザル方式で事業者を募り、その結果、JR東海などを優先交渉権者に決めたと24年4月に発表していた。