東北新幹線 運安委が調査開始 連結運転取りやめで駅は混雑続く
6日、東京都内を走行中の東北新幹線で連結部分が外れ、国の運輸安全委員会は宮城県内にあるJRの施設で車両の調査を始めました。車両の構造に加え、どのようなメンテナンスを行っていたかについても詳しく調べる予定です。
一方、JR東日本は7日も連結での運転をすべて取りやめていて、多数の列車が運休となり駅の構内や列車内は利用客で混み合いました。
8日と9日も連結での運転をすべて取りやめるとしています。
【こちらで詳しく】東北新幹線 連結外れ「こまち」側に原因か 連結運転は全面停止

6日、東京都内の上野・大宮間を走行していた東北新幹線の下りで、「はやぶさ」と「こまち」の連結部分が外れて緊急停止しました。

運輸安全委員会 原因の調査を開始
これを受け、運輸安全委員会は、事故が発生するおそれがあると認められる重大な事態、「重大インシデント」として7日、原因の調査を始めました。

午後1時半ごろには今回の車両がある宮城県利府町のJR東日本の施設に調査官3人を派遣し、車両などの調査を行っています。
7日は関係者への聞き取りや分離した車両の確認などを行っているということです。

JRの施設に入る前、運輸安全委員会の足立雅和 鉄道事故調査官は「同じ事業者の同じ車両で起きたことに注目して調査する必要がある。車両のメンテナンスや構造に加え、車両に何が発生したのか、機械的、電気的なところも含め幅広く調査を進めたい。原因を解明し、2度と起きないように再発防止策を提言していきたい」と話しました。
運休や折り返し運転の区間は

今回の問題を受け、JRは7日も連結での運転をすべて取りやめています。
秋田新幹線は東京~盛岡間で運休して盛岡~秋田間で折り返し運転し、山形新幹線は連結運転しない一部を除き東京~福島間で運休して福島~新庄間で折り返し運転します。
秋田や山形への直通運転は行われないため、秋田へは盛岡駅で、山形へは福島駅で、乗り換えが必要です。
運休によって東北新幹線の区間を走行する列車の座席数が大幅に減っていて、JR東日本によりますと、各駅の窓口では問い合わせをする人やふだんとは違う切符を購入する人などで列ができているということです。
一部の駅ではホーム上も混雑しているほか、列車の中で立ったまま移動する人も出ているということです。
各地の駅では

【東京駅】
午前10時ごろ、東京駅の新幹線の改札では、切符を変更したり払い戻しを受けたりする人で窓口に長い列ができていて、予約状況を示すモニターには午前中いっぱい、満席を示す「×」が並んでいました。

仙台市で開かれるイベントに行くという60代の姉妹は「来てみたらとても混んでいて、指定席は取れませんでした」と話していました。
秋田県に住む母親に会いにいくという60代の女性は「もともとはきのう行く予定でした。切符を変更しましたが、盛岡までは指定席が取れず、立っていくことになりそうです」と話していました。
秋田県から到着した男性は「当初予定していたのと近い時間帯の切符を取れたので大きな影響はありませんでしたが、秋田にとって新幹線は非常に大事なインフラなので早く復旧してほしいです」と話していました。

【仙台駅】
7日午前、JR仙台駅の新幹線改札前では運行情報のモニターを多くの利用者が立ち止まって確認していました。
仙台駅には運休になった列車の指定席の払い戻しや、乗り継ぎが発生した区間の切符の購入方法についての問い合わせが相次いでいるということです。
山形県を観光したあとで山形新幹線で埼玉県に帰る予定だったという40代の夫婦は「福島で乗り換えて自由席で帰ることになった。ここ最近新幹線に乗るたびに何かしらトラブルが起きているので安心して乗車したい」と話していました。
東北新幹線で福島から青森に行く予定だった60代の夫婦は「福島・郡山から仙台までは指定席がとれずに自由席しか空いておらず、座れずに立っていた。立っている人がデッキまでいっぱいだった」と話していました。
【秋田駅】
秋田新幹線は秋田と盛岡の区間に限った運転となっていて、7日朝、JR秋田駅では、利用客が盛岡から先の新幹線のチケットの購入などのため窓口に列を作っていました。
8日、知人の葬儀のため東京に向かうという秋田市の80代の男性は「座席が取れなかったら車内で立っていなければなるかもしれず、予定をキャンセルしようと思います。不便に感じます」と話していました。
帰省で秋田を訪れていて、これから都内の自宅に帰るという50代の女性は「きのう帰る予定でしたが、キャンセルしました。きょう仕事がありましたが、シフトを代わってもらったので、きょう帰らないといけないです」と話していました。
臨時列車を5本運行
JR東日本は、東北新幹線で連結部分が外れたトラブルに伴って「こまち」と「つばさ」が区間運休する影響で混雑が見込まれることから、7日、臨時列車を5本運行すると発表しました。
下りは
▽午前8時に東京を出発して盛岡に向かう「はやて」
▽午前8時56分と午後7時52分に東京を出発して仙台に向かう「やまびこ」
上りは
▽午後5時34分と午後7時4分に仙台を出発して東京に向かう「やまびこ」
いずれも普通車は全席自由席だということです。
8日と9日も連結運転をすべて取りやめへ
JR東日本は、走行中の東北新幹線で連結部分が外れた問題を受け、8日と9日も東北、山形、それに秋田新幹線で、連結での運転をすべて取りやめると発表しました。
秋田新幹線は東京~盛岡間で運休して盛岡~秋田間で折り返し運転し、山形新幹線は連結運転しない一部を除き、東京~福島間で運休して福島~新庄間で折り返し運転します。
秋田や山形への直通運転は行われないため、秋田へは盛岡駅で、山形へは福島駅で、乗り換えが必要です。
今回の運休によって東北新幹線の区間を走行する列車の座席数が大幅に減り、JR東日本は混雑が予想されるとしています。
JR東日本は、原因が判明し、必要な対策が完了するまで、連結での運転をすべて取りやめるとしています。
中野国交相「去年9月にも同様の事案 重く受け止めている」

中野国土交通大臣は7日の閣議のあとの会見で、車両を保有するJR東日本とJR北海道に対して原因究明と再発防止策の検討を行うよう指示したことを明らかにしました。
東北新幹線では、去年9月にも走行中に「はやぶさ」と「こまち」の連結部分が外れる事案が起きていて、今回の指示では、前回の事案に関する原因の究明や再発防止策が適切だったのかどうかについても改めて調査するよう求めているということです。
会見で中野大臣は「去年9月にも同様の事案があり重く受け止めている。輸送の安全確保は鉄道事業者にとって、最も基本的で重要な使命なので国としても安全性向上に向けた取り組みをしっかり講じていきたい」と述べました。