高校生対象に「体験型航空教室」 人材確保へ成田空港活用協議会
高校生対象の「体験型航空教室」が3日、成田空港(千葉県成田市)で始まった。千葉、茨城両県の行政や民間の計146機関で組織する「成田空港活用協議会」が主催し、成田国際空港会社(NAA)と航空大手2社が協力。人手不足が課題の空港・航空へ関心を高めてもらう試みで、4日まで計約160人が参加予定だ。
「チームで協力しながら、お客様をご案内しています」。3日、成田空港第1ターミナルに併設する全日本空輸(ANA)の訓練施設。高校生は、空港での接客業務を担当するグランドスタッフから様々な仕事の説明を受けた。
その後、荷物を預かってタグを付けたり、国際線の出国カウンターを見学したりして職場体験。空港で働く夢に向け、2年連続で参加した植草学園大付2年の篠原秋羽(しゅう)さん(17)は「実際に働いている人じゃないと聞けない話ばかり。勉強になる」と目を輝かせた。
3日はANAグループが協力し、72人が参加。4日は日本航空(JAL)グループが協力し、84人が参加予定だ。
この航空教室は、2021年から開いている。協議会は、成田空港の存在を県内経済活性化につなげることを目的に、13年に設立された団体で、人材育成が柱の一つだ。
成田空港の従業員はコロナ禍で減り、昨年2月時点で3.6万人。戻りつつあるが、NAAが進める29年3月を目標とする機能強化では、7万人が必要とされる。千葉県北東部に位置する成田は、従業員の9割超を千葉、茨城両県で占めており、両県からの人材確保は最重要課題になっている。
協議会の小島肇事務局長は「航空や空港の仕事内容に、理解を深めてもらう取り組みを進めたい」と話した。