成田空港の国際線の外国人旅客数、8月は173万人で過去最多を更新

小林誠一
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 成田空港の8月の旅客数は357万人で、コロナ禍前の2019年と比べ、85%の回復だった。国際線旅客数は287万人で、うち外国人旅客数は173万人と、8月として最多を更新した。成田国際空港会社(NAA)が27日、定例記者会見で発表した。

 NAAによると、8月の旅客数357万人は、前年より11%増えている。台風7号の影響で、同月16日を中心に欠航が多数出ており、コロナ禍前からの回復幅が抑えられた。

 国際線で8月として過去最多を更新した外国人旅客数は、前年より24%増え、19年と比べても18%多い。日本人旅客数は92万人で、19年の57%まで戻した。要因の一つは中国線。日中関係の不安定さが増しているが、NAAの田村明比古社長は「空港としても国民としても安定的、平和的に推移することを希望する」と述べた。

 国内線旅客数は70万人で、前年比12%減、19年比でも10%減。台風7号などの影響とみられる。

 国際線貨物便は、発着回数が2469回で前年とほぼ同水準。国際航空貨物量は15.4万トンで、コロナ禍前には及ばなかったが、前年よりは5%増えた。

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 次期衆院選に立候補せず今期限りでの引退を表明した自民党林幹雄・元幹事長代理(77)=衆院千葉10区=について、成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は27日、「成田空港が長いことお世話になった」と感謝を述べた。定例記者会見で質問に答えた。

 林氏は、成田空港のある選挙区の国会議員として長年、国や県、NAAのパイプ役だった。県やNAAなどが7月に岸田文雄首相へ要望した際にも、同党の成田空港推進議連会長代理として同席した。

 2029年3月を目標とする機能強化が進む成田空港。田村社長は林氏について「お力が大きかったので、引退をうかがって大変残念だ。引き続き、国会の外でもご支援、ご指導いただければありがたい」とした。

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