別府観光「おもてなしライセンス」 14人が取得

大村久
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 別府市観光協会が、観光客と接する時間が長い観光タクシーの運転手や観光バスのガイドを対象に「おもてなしライセンス」を交付する事業を始めた。案内のプロを養成し、訪れた人たちの満足度を向上させて再訪問につなげ、観光事業の発展をめざす。同協会の伊藤慶典専務理事は「他業種への拡大も検討したい」と先を見据える。

 ライセンスを取るためには、温泉や市ゆかりの著名人、観光施設の知識などを学ぶ「一般・温泉講座」と、車いすの介助や接客マナーなどを学ぶ「接遇研修」を受講し、認定試験に合格する必要がある。認定試験は120問が出題され、105点以上が合格。すべて記述式の回答で、問題は「(別府観光の父と呼ばれる油屋)熊八翁は、日本で初めての『女性○○○○○』を採用し、地獄めぐりを始めた」(答え:バスガイド)や「別府温泉は天水(雨水)がマグマで温められて温泉になるが、雨水が温泉になるには通常何年かかると言われているか」(同:50年)のほか、施設の入場料を答える問題などもあった。

 9月上~中旬にあった1回目の講習会と認定試験には、乗務歴55年のベテラン運転手ら20~80代の計47人の申し込みがあった。24日、認定試験を受けた38人のうち合格者14人に「おもてなしライセンス」が交付された。資格取得証明書の他にタクシーに貼り付けるマグネットステッカーなども授与された。

 大分交通の観光バスのガイドを17年務める松浦三華子さん(35)は「知らないこともあり学びの場になった。別府市が盛り上がるように頑張りたい」。

 みなとタクシーで運転歴10年の藤井宏幸さん(65)は「今回の研修で別府の歴史や温泉などの基礎知識を学べ、接客についても障害のある人の対応をはじめ、お客様目線でサポートする必要性を再認識できた」と述べ、「今後の業務に大いに役立つ。ライセンス取得に甘んじることなく、今後も観光を中心としたお客様の満足度を上げていく努力を続けたい」と話した。

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