羽田空港 試験中に資料閲覧不正 JAL別子会社とANA2社でも

日本航空の子会社が、羽田空港の制限区域内で車を運転するための試験を社内で実施した際、受験した社員に資料の閲覧を認めていた問題で、別の子会社でも同じ不正を行っていたことがわかりました。

また、全日空とそのグループ会社1社でも不正が明らかになり、それぞれ今回の試験を中止し、謝罪しています。

新たに不正が明らかになったのは日本航空の子会社の「JALスカイ」、全日空、全日空のグループ会社のANAエアポートサービスのあわせて3社です。

この問題では日本航空の別の子会社、ジャルロイヤルケータリングが羽田空港の制限区域内で車を運転するための試験を1月に社内で実施した際、国の規程に違反して受験した社員2人に、資料の閲覧を認めていたことが明らかになっています。

このため同じ試験について各社が調べたところ、2022年から今月にかけて、JALスカイで社員9人を、全日空で社員6人を、ANAエアポートサービスで社員72人を不正に受験させていたことがわかったということです。

資料の閲覧は、ほとんどのケースで試験監督が許可し、一部のケースでは試験監督が黙認していました。

ANAエアポートサービスの72人は全員が、別の空港から応援で羽田に来ていた社員で、試験監督は空港での運転ルールはおおむね理解しているとして閲覧を許可したということです。

それぞれのグループの会社では、現在、不正が発覚した試験の実施を中止しているということです。

日本航空は「当該の行為をコンプライアンス違反、安全運航を阻害しかねない重大な行為と捉え、再発防止に努めます。心からおわび申し上げます」とコメントしています。

ANAホールディングスは「安全を担保するルールから逸脱する事象を発生させ、深くおわび申し上げます。再発防止に取り組み、信頼回復に努めます」としています。