中国の旧正月「春節」祝う祭りや行事 観光地訪れる人たちも

10日から中国の旧正月「春節」が始まり、神戸市の南京町では祭りがはじまりました。
大型連休に合わせて中国からの団体観光客が和歌山県の観光地を訪れるなど、各地でにぎわいを見せています。

神戸 中華街・南京町 初日の祭り始まる

神戸市の南京町では「春節祭」初日の10日、無病息災を願って爆竹が鳴らされ、祭りが始まりました。

特設ステージでは、音楽や体の動きに合わせて顔につけた面が瞬時に変わる中国 四川地方の伝統芸能「変臉(へんれん)」や、フラフープを使った中国雑技が披露され、訪れた人たちは盛んに拍手を送っていました。

また、邪悪なものを払い幸福を招くと考えられている中国獅子舞も披露され、太鼓やシンバルの音に合わせて中華街を練り歩いていました。

山口県から来た30代の男性は「ステージに迫力があり感動しました。町全体がにぎわっていてすごく楽しいです」と話していました。

南京町商店街振興組合の曹英生理事長は「能登半島地震があり大変な状況が続く中での春節祭ですが、南京町も阪神・淡路大震災を乗り越えて今があるので、必ず復興すると信じて、少しでも前向きな気持ちになってほしいです」と話していました。

「春節祭」は12日まで行われ、店舗やブースには能登半島地震の支援のための募金箱も設置されています。

国の名勝「三段壁」にも中国からの観光客 和歌山 白浜町

中国では10日から旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まり、和歌山県白浜町の観光名所でも中国からの観光客の姿が見られました。

和歌山県白浜町にある国の名勝に指定されている断崖「三段壁」にある観光施設は展望台から雄大な海の景色が楽しめることで知られ、中国のSNSでも話題の観光スポットとなっています。

10日も午前中から外国からの団体観光客が次々と訪れていました。

施設によりますと、外国からの観光客はコロナ禍前の半分ほどにまで回復してきているものの、中国本土からは個人旅行で訪れている人が多く、本格的な回復には至っていないとみています。

広州から訪れた男性は「4年ぶりに日本に来ました。温泉が目当てのほか、広州と距離的にも近かったので白浜を選びました」と話していました。

上海から家族で来た女性は「友達に和歌山は日本人が好きな場所だと聞き、訪れることにしました。春節で大阪や京都は混雑すると思い、和歌山に来ました。海の景色や温泉を楽しみたいと思います」と話していました。

観光施設「三段壁洞窟」の栗山椋さんは「ふだんの休日は日本人が多いが、春節を迎え台湾や香港、中国などの観光客が増えている。ただ、コロナ禍前までの水準には戻っていないので、今後、中国本土からの旅行客が増えてくることを期待したい」と話していました。

本場の中華料理でにぎわい感じる催し 東京 上野公園

本場の中華料理を楽しみながら中国の旧正月、春節のにぎわいを感じてもらおうという催しが東京の上野公園で開かれ、大勢の人たちが訪れています。

この催しは、春節の時期にあわせて地域を盛り上げようと地元の商店会などが主催しました。

会場には飲食を中心におよそ60の出店が並び、四川のタンタン麺や内モンゴルの羊の串焼き、それに台湾のから揚げなど各地の名物料理が提供されていました。

中にはパンダの顔をあしらったまんじゅうや、ザリガニの煮込みといった珍しい料理もあり、訪れた人たちは思い思いに料理を探して味わっていました。

会場では、上野動物園で生まれ育ち去年中国に返還されたパンダのシャンシャンが、中国で暮らしている様子を写した写真展も行われていて、元気に過ごしているシャンシャンの様子をじっくりと見入っていました。

訪れた人たちの中には中国の出身者もいて、20代の会社員の男性は、「15年くらい前から日本に住んでいて、春節は懐かしいので来ました。いろんな中華料理を楽しみたいです」と話していました。

主催した上野中央通り商店会の大河原一郎 副会長は「本場の方が作ったものもあるので、いろんな国の方に来てもらい春節を楽しんでほしいです」と話していました。この催しは12日まで開かれています。