【1月23日 CNS】中国政府の航空部門によると、中国の民間航空業界全体では2023年通年で300億元(約6174億円)近くの損失を抱える見通しになった。前年の2022年の業界全体の損失は2160億元(約4兆4452億円)に達することが明らかになっていた。最近開催された「2024年民間航空事業会議」で、2023年の損失額が前年から1872億元(約3兆8525億円)分削減されるとの見通しが明かされたため、その差額の300億元近くが2023年の損失として残る計算になった。

 政府の航空部門は2024年の「業界全体の収益目標」を設定しているが、まだ過去の損失を挽回できていない状況とされる。

 2020年から2022年までのコロナ禍で中国の民間航空業界も大きな損失を被り、3年間の累積損失は多額に上っている。その内訳は2020年には974億元(約2兆円)、2021年には842億元(約1兆7328億円)、2022年には2160億元(約4兆4452億円)の損失が見込まれている。

 2023年に入ると、国内航空市場は感染症の緩和とともに急速に回復する一方、国際線市場の回復は比較的遅い状況だ。これが、業界全体の損失縮小の足を引っ張る主な原因だという。

 航空部門によると、2023年の国内線の旅客数はコロナ流行前の水準を超え、2019年と比べて1.5パーセント増加している。一方、国際線を含めると、2023年の旅客輸送量と貨物・郵便の輸送量は、それぞれ2019年の93.9パーセント、97.6パーセントまでしか回復していないという。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News