屋久島空港、ジェット化へ光 国が滑走路2000m延伸へ調査費検討 首都圏と直行便、観光や物流増に期待

 屋久島空港(鹿児島県屋久島町)の滑走路延伸計画で、国土交通省が2024年度予算案への調査費計上を検討していることが21日、関係者への取材で分かった。これまで鹿児島県や屋久島町が国に早期事業化への要望を重ねており、実現すれば「悲願」のジェット機就航が大きく前進する。

 屋久島空港は県が管理し、鹿児島、福岡、伊丹の3空港との間をプロペラ機が運航する。計画では、現行1500メートルの滑走路を奄美空港と同等の2000メートルに延ばし、定員160~180人程度のジェット機が離発着できるようにする。首都圏との直行便就航を目指し、観光客の増加や物流の改善を図る狙いだ。

 県が20年度に策定した基本計画によると、延伸の概算事業費は約150億円。旅客ターミナルや駐機場も整備する。23年度中に環境影響評価の最終まとめとなる「評価書」の公告縦覧を予定し、事業化が決まれば24年度にも設計や調査に入りたい考えだ。

 政府は予算案を22日に閣議決定するが、個別事業への割り当ては、予算成立後の年度末に発表される見込み。国交省は「現時点で何も決まっていない」としている。

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