【12月20日 AFP】フランス政府はパリ五輪が開催される来年、ホテルなどの宿泊客から徴収する宿泊税を3倍に引き上げる計画だ。宿泊業界はこれに対し、競争力が損なわれるなどとして反発している。

 現行の宿泊税は施設の等級によって異なり、1人1泊当たり最低0.25ユーロ(約40円)、最高級ホテルでは5ユーロ(約790円)となっている。

 政府は2024年度予算案に、宿泊税を3倍に引き上げる措置を盛り込む方針。増収分は公共交通機関の整備に充当される。政府としては、クリスマス前に議会採決を経ずに成立させることを目指している。

 業界団体のUMIHGNCは声明で、宿泊税引き上げ案について「2024年パリ五輪に世界中の関心が集まる時に、業界の競争力とフランスのイメージに新たな打撃がもたらされることになる」と批判。宿泊税引き上げによる増収分は年間4億2300万ユーロ(約670億円)に上る見込みで、公共交通機関の整備に必要とされる2億ユーロ(約320億円)を大幅に上回るとしている。

 業界は五輪が開催される来年7月26日から8月11日までの宿泊料金をすでに引き上げている。別の業界団体GHRのカトリーヌ・クラール(Catherine Querard)代表は「当局は宿泊税を大幅に引き上げる一方で宿泊料金値上げを懸念し、業界を非難するつもりだ」と語った。(c)AFP