名刺サイズの「観光パンフレット」導入進む 和歌山は5市町

勝部真一
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 名刺サイズのパンフレット「観光カード」の導入が全国の市町村で進んでいる。和歌山県内でも5市町が活用している。掲載されているQRコードをスマートフォンなどで読み込むと観光スポットの情報が現れる。英語を始め、フランス、中国、韓国など10の言語に対応していて、外国人観光客の増加を見据えている。

 今年度、日高川町が作成したカードは6種類。表面には、安珍・清姫伝説の舞台で知られる「道成寺」や1646メートルの長さを誇る「藤棚ロード」、町が日本一楽しいヤッホー(山びこ)ポイントとうたう「椿山(つばやま)ダム湖畔」など、町内の観光スポットの写真がそれぞれ掲載されている。

 裏面には、2種類のQRコードが載っていて、全国各地の観光情報を集めたサイト「JAPAN in JAPAN」内にある町専用ページと町のホームページにアクセスできる。町専用ページには観光スポットなどの写真が掲載されていて、グーグルマップなどと連動し、目的地までの行程や周辺の観光情報が入手できる。観光パンフレットより低コストで、荷物にならず多言語に対応できるのが利点という。

 「JAPAN in JAPAN」を運営するワンネット(鹿児島県)によると県内30市町村のうち29自治体の専用ページがあり、観光カードを導入しているのは紀の川市橋本市紀美野町、広川町、日高川町の5市町という。全国では約230の自治体や観光協会が導入していて、計400万枚を超えるという。

 2021年度に県内で初めて観光カードを導入した紀美野町観光協会では、生石高原や、みさと天文台からの星空など表面の写真は10種類。裏面には町内34の飲食店や宿泊施設などの情報が見られるQRコードを掲載している。基本的には担当者らがイベントなどで配布するが、和歌山マリーナシティホテル(和歌山市)にも置いているという。

 日高川町ではいまのところ、町役場だけに置いている。職員らが観光PRなどの際に利用する。担当者は「新型コロナウイルスの影響も落ち着いて外国人観光客も増えている。2025年には大阪・関西万博もある。ツアーなどではなく個人で訪れる観光客も多いので、町内に立ち寄ってもらうきっかけになってほしい」と期待している。(勝部真一)

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