ホンダ CO2排出しない船外機 遊覧船で実証実験へ 松江

ホンダは、水上での脱炭素の実現に向け、バッテリーとモーターで動き、二酸化炭素を排出しない船外機の実証実験を、来月から松江市の遊覧船で行うことになりました。

この実証実験は、ホンダが開発を進めている船外機の試作品を観光船に搭載して行います。

来月から松江城のお堀をめぐる「堀川遊覧船」で行うのを前に26日、デモンストレーションの様子が公開されました。

この船外機は、オートバイで使われているリチウムイオン電池とモーターを転用していて、運航中、二酸化炭素を排出しないうえ、エンジンに比べて振動や騒音が少なくなっています。

会社によりますと、堀川遊覧船のすべての船にこの船外機を導入すると、年間47トンの二酸化炭素の削減効果が見込めるということです。

船頭の男性は「音が静かなのがいちばんで、客や私の声も聞きやすいと思う。自然や歴史を見ながらまわるので、先端の技術を組み合わせれば可能性が広がる」と話していました。

実用化はまだ決まっていませんが、ホンダは実証実験を通じて性能や観光船の運航への影響を検証することにしています。

ホンダのマリン事業部の福田蔵磨部長は「水上での脱炭素に向けた大事な一歩になる。遊覧船で実用性を確認し、採算性をつきつめてできるだけ早くたくさんの人に使ってもらいたい」と話していました。