コロナ禍で運休の佐賀―台北線が復活 国際クルーズ船も唐津に入港へ

寿柳聡 熊谷徹也
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 新型コロナ禍で途絶えていた海外との交流の窓口がこの春、佐賀県内でも復活の動きを見せている。2日、運休していた台湾の格安航空会社(LCC)タイガーエア台湾の佐賀―台北線が運航を再開。4日には、唐津港(唐津市)に約3年半ぶりに国際クルーズ船が入港する予定だ。

 2日午前10時20分過ぎ、佐賀空港(佐賀市)に、台湾からほぼ満員の176人を乗せた機体が着陸した。

 コロナ禍前に運航していた3社4路線の国際線で最初の復活。機体は、歓迎の印として、2台の消防車による放水のアーチをくぐりながらターミナルへ。乗客は丸ぼうろなど記念品を受け取った後、桜の花が残る唐津や嬉野、武雄、鹿島など各地に旅立った。

 乗客は、県内や福岡、長崎などを数日かけてまわる三つのツアーの客が中心。台湾では、国内にない雰囲気の図書館として武雄市図書館が若い人の間で人気という。

 折り返しの、佐賀から台北に向かう便の乗客は35人だった。10月26日まで日曜日と木曜日の週2往復を予定している。

 空港では台北線の再開を祝う式典も行われ、山口祥義知事は「(再開まで)本当に長かった。新型コロナ前は各路線とも調子が良かったので、ぜひこれから盛り上げていきたい」と述べた。

 タイガーエア台湾の陳漢銘・董事(とうじ)長は「これまで日本に来られなかったお客の期待から当面は満席が続きそうです」と話した。

 佐賀空港では台北線のほか、中国LCCの春秋航空の上海線と西安線、韓国LCCのティーウェイ航空のソウル線が運航していたが、コロナ禍をうけ2020年3月までに相次いで運休した。県はまずソウル線再開に向けティーウェイ側と調整を進めている。(寿柳聡)

     ◇

 4日には、唐津港に乗客約200人の国際クルーズ船が入港する予定だ。新型コロナの感染拡大で途絶えていた国際クルーズ船の日本への寄港が、水際対策の緩和で再開されたためで、唐津港への寄港は、2019年10月以来、約3年半ぶりとなる。

 4日に入港するのは、フランスの会社が所有するクルーズ船「ル・ソレアル」。大阪港から高松港(香川県)、広島港、宇和島港(愛媛県)を経て、唐津港に4日午前9時に入港。同日午後7時に出港し、韓国・蔚山(ウルサン)港に向かう予定だ。

 県によると、19年には国内外のクルーズ船が計11回、唐津港に寄港した。今年は12月までに計12隻のクルーズ船が寄港する見込みだという。

 クルーズ船でのコロナ対応について、感染者は船内隔離が基本となるが、重症者が出た際には現地の医療機関との連携も必要になるとして、県などが連絡体制も含めた調整を進めている。

 国際クルーズ船は全国各地で受け入れが再開され、訪日観光客増加への期待も高まる。福岡市博多港にも3月30日、3年2カ月ぶりに外国船籍のクルーズ船が寄港し、和太鼓の演奏などで乗客を出迎えた。

 博多港は15年から18年までクルーズ船の寄港回数が全国トップで、19年も那覇港に次いで2位だった。今年は5月までに7隻の国際クルーズ船が寄港する予定という。(熊谷徹也)

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