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2023年世界の空港ランキング、シンガポール・チャンギ空港3年ぶりに1位。トップ10に羽田と成田

2023.03.27

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2023315日にオランダのアムステルダムで開催された旅客ターミナルEXPOで、「2023 World Airport Awards」の各賞が発表された。空港業界のアカデミー賞とも呼ばれるこの賞は、英国ロンドンを拠点とする世界の航空格付け会社Skytraxによるもので、各賞のカテゴリーは80を超える。20228月~20233に行われた調査には100カ国以上の旅客が、空港でのチェックイン、到着、乗り継ぎ、安全対策、入国審査などを評価した。対象となる空港は550を超え、コロナ禍で減少していた旅客による投票数も2019年の水準に戻っているという。

 

世界最高の空港トップ3はシンガポール・チャンギ、ドーハ・ハマド、東京・羽田

2023年の「世界最高の空港」に選ばれたのは、2013年から2020年まで連続でトップだったシンガポールのチャンギ空港だった。3年ぶり12回目の首位に返り咲いた。同空港はほかにも「空港の食事」と「空港のレジャー設備」の2部門でも世界一、「アジアで最高の空港」にも選ばれた。

高さ40メートルの屋内滝があることでも有名なチャンギ空港はショッピング、ダイニングからエンタテインメントまで、アクティビティの宝庫であり、航空拠点としてはもちろん空港自体が記憶に残る観光スポットにもなっている。

Skytraxのエドワード・プレイステッド最高経営責任者は、「チャンギ空港は新型コロナ禍により大きな打撃を受けたが、現在の旅客数はコロナ禍前の水準の約80%まで回復している。2024年には2019年のレベルに戻ると期待されており、今回の結果は、国際航空旅客による同空港の評判の高さを明確に示している」と語った。

また、チャンギ空港グループの最高経営責任者であるリー・ソー・ヒアン氏は、「チャンギ空港は、12回目のワールド・ベスト・エアポートに選ばれたことを光栄に思っている。この評価は、過去2年間、コロナ禍の難題に立ち向かうために団結した私たちの空港コミュニティにとって大きな励みになる」と話した。

世界2位には、前年まで2年連続で1位だったカタールのドーハにあるハマド国際空港が入った。同空港は他にも「世界の空港ショッピング」「中東最高の空港」「中東の最も清潔な空港」部門で首位になっている。

3位には前年2位の羽田空港が入った。順位の変動はあれど、トップ3の顔ぶれは前年と変わらなかった。

日本からはほかに、成田空港が前年から5ランクダウンの9位、10位だった関西国際空港はトップ10圏外の15位となった。16位に入った中部国際空港セントレアは、世界の地域空港部門で9年連続、アジアの地域空港部門で13年連続でトップ、そして世界のLCCターミナル部門で初めて1位となっている。

 

清潔な空港ランキング、羽田8年連続1位

羽田空港はコロナ禍で注目を集める「世界で最も清潔な空港」で、8年連続10回目の1位を獲得。45位にも日本の中部国際空港と成田国際空港が入った。また、羽田空港は「国内線空港」「PRM対応(高齢者や障害者など、移動時のサポートを必要とする旅客への取り組みに優れているターミナル)」の各部門でもトップになっている。

そのほか、「空港スタッフ部門」のトップ10には羽田(3位)、成田(4位)、中部(6位)、関西(9位)と4つの日本の空港が入り、「空港セキュリティ」でも、羽田(4位)、中部(6位)、成田(7位)が入った。

世界が再び大きく開いた2023年、航空旅行はパンデミック前の旅客数に近づくことだろう。この間、空港にとっても厳しい状況が続いたが、今年は運営上の問題が全体的に改善され、旅客が望むスムーズな空港体験が望まれる。

 

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