ロケ地で経済効果15億円、ツーリズム資源整備…静岡の3市町が受賞

南島信也
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 ロケ地となって官民一体で地域活性化に取り組んだ作品とその地域を顕彰する第13回ロケーションジャパン大賞が発表された。昨年のNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」で序盤の舞台となった静岡県伊豆の国市が準グランプリ、映画「沈黙のパレード」の牧之原市は支持率部門賞に輝いた。西伊豆町はロケツーリズムアワード地域大賞を受賞した。

 この賞は、地域活性化のプロデュースなどを手がける企業「地域活性プランニング」(東京)が発行する雑誌「ロケーションジャパン」が主催している。今回は2021年11月1日~22年10月31日に放送・公開された作品が対象で、40作品50地域がノミネートされ、県内からは6作品5市町が候補になった。1万人のアンケートを基に①支持率②地域の変化③撮影サポート④行楽度――の四つの指標で総合的に評価する。

 主催者は、伊豆の国市が準グランプリを受賞したポイントとして、大河ドラマ館の入場者数が約20万人で、経済効果も15億円以上となり、市民のロケ協力など地域に大きな変化をもたらしたことを挙げた。牧之原市については、作品が公開20日で150万人を動員し、興行収入も29億円を突破するなど、アンケートでも多くの支持を集めたという。

 ロケツーリズムアワードは、ロケ地となったことで再発見された地域の魅力を効果的に活用、発信したことを評価するもの。西伊豆町はロケに官民一体で組織的に対応できる体制を整え、ロケ地を観光資源として整備したことなどが受賞理由となった。

 東京都新宿区のホテルで16日に行われた授賞式で、伊豆の国市の山下正行市長は「ドラマゆかりの地として、市民の多くがロケに関わり支援してくれたことが受賞につながった」と喜びを語った。牧之原市の杉本基久雄市長は「今後もロケ支援を通じて、市の情報を発信し、ロケツーリズムにつなげていくことで地域活性化を促進したい」とスピーチした。

 県内は自然豊かな場所が多く、首都圏に近いことから、ロケ地として人気が高い。海に沈む美しい夕日を「夕陽日本一」と宣言する西伊豆町は、人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率が51・8%(昨年4月1日現在)と県内で最も高い。そこで着目したのが、観光を施策の中心の一つに据え、ロケ誘致による地域振興を図ることだった。今回はドラマ「金田一少年の事件簿」と映画「ツユクサ」のロケ地としてエントリーした。星野浄晋町長は授賞式で「今後も地域をあげてロケ誘致を行うとともに、スタッフが気持ちよく撮影できるように取り組んでいきたい」と話した。(南島信也)

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