MICE都市、再浮上の鍵は 国際会議数2位から4位に後退した福岡

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杉山あかり
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 国際会議やイベントなどの「MICE」の誘致に力を入れる福岡市博多港近くには、マリンメッセ福岡や福岡サンパレスなどの大きな建物が立ち並ぶ。マリンメッセ福岡の前では、来夏に開催予定の世界水泳の仮設会場の準備が進む。専門家は、主催側のニーズの把握や市民の理解を得ることの重要性を指摘する。

 福岡国際会議場で10月30日~11月2日に開かれた環境問題に関する国際会議「EcoBalance 2022」。25の国と地域から約350人が集まり、オンラインでも約100人が参加した。

 実行委員長の男性によると、渡航ビザの関係で開催直前まで参加者の人数が確定しなかった。しかし、公益財団法人福岡観光コンベンションビューローや国際会議場は、使用する部屋数の決定時期などで融通を利かせてくれた。オンライン・オフライン双方での開催に対し、市から助成金も出た。

 福岡市での開催は他都市に比べて会場費用などが安く、キャンセルの条件がよかったことなどが決め手になった。海外からのアクセスの良さも魅力に感じていたという。男性は「支援がこんなにあるとは思っていなかった」と振り返る。

 福岡市は1987年、「コンベンションシティづくり構想」を策定し、80年代後半から受け入れ拠点となる博多湾ウォーターフロント地区の整備を進めてきた。

 観光庁は福岡市を含む12都市を「グローバルMICE都市」に指定し、アドバイザー派遣などで支援してきた。指定を受け、福岡観光コンベンションビューローは誘致から開催までを支援する専門部門「Meeting Place Fukuoka」(MPF)を、全国に先駆けて発足させた。

 日本政府観光局(JNTO)国際会議統計によると、福岡市で開かれた国際会議の件数は09年から8年連続、東京に次いで国内2位。16年には過去最多の383件が開催された。

 しかし、17年には神戸市京都市に抜かれ、4位に後退。20年に新型コロナの流行が始まり、3~12月の開催件数は0件だった。

 国内外で40年以上MICE…

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