中国の融資でできた「世界一ガラガラの空港」 月の利用者3人の時も

ハンバントタ=石原孝
[PR]

 経済危機が深刻化し、日本などに債務の再編を求めているスリランカで、採算が取れない「ホワイト・エレファント」(白い象)になった開発事業が目立っている。

 年100万人の利用者を見込み、南部ハンバントタに2013年に建設された「マッタラ・ラジャパクサ国際空港」もその一つ。10月上旬に訪れると、案内係や手荷物をチェックする従業員が時間をもてあましていた。約500人が働いているが、預け荷物や出入国手続きの窓口、搭乗口には客がおらず、滑走路にも機体が一機も見えなかった。

 空港の管理を担う国有企業のチャミル・プラサド氏(43)は「この数カ月は、商用便はほとんど飛んでいない。チャーター便の利用者が時々使ってくれているだけだ」という。

 約2億900万ドル(約300億円)の建設費のうち、約9割は中国側が融資。今は借金の返済のほか、従業員の給与や光熱費といった維持費が重くのしかかる。国際線の定期便は途絶え、コロナ禍前は利用者が月に3人しかいない時期もあったという。

 米経済誌フォーブスが「世界一ガラガラの空港」と報じるなど、不名誉な別名も付けられた。(ハンバントタ=石原孝

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら