ZDNETは10月26日、エクスペディアによるAIや機械学習(ML)の活用状況を紹介する記事を公開した

エクスペディアでは、ユーザーに発見を促すインサイトの提供やパーソナライズした体験の提供、検索、並び替え、詐欺やリスクの回避などあらゆる面でAIとMLを活用。年間で6000億件以上のAIによる予測を処理しており、それを支えるのは70ペタバイトのデータで、その情報量は1ペタバイトだけで背の高いファイルキャビネット2000万台分に相当。それを6000人以上の開発者やデータサイエンティスト、デザイナーが製品やサービスに仕立てたりMLのモデリングをしたりしているという。

活用するのは顧客のプロフィールや選択、行動パターンなどで、特に重要という行動パターンでは例えばサイト上で行われるタイピングやマウスの動きは基本的にすべて役立てられる。2022年には、顧客のレビューなどから得られる情報をもとにホテルの施設を評価するゲストエクスペリエンススコアの仕組みも設け、ホテルの掲示方法などに利用している。また、カスタマーサポートの業務の自動化などにもAIとMLを活用している状況だ。

また、SkiftはBookingホールディングスがインドのベンガルールに立ち上げた開発拠点の取り組みを紹介。これによると、同拠点ではMLによって宿泊客の本人確認をする方法や、従来のクレジットカードやデビットカードに代わる国際決済手段の開発を目指しており、現在は約20人のみが所属しているが、年末までに100人規模にまで増強する計画。

本人確認では、パスポートや運転免許証などの証明書を個人を識別するデータと結びつけ、AIとMLで自動で検証する。

一方、新決済手段では既存のカードの仕組みよりも有利な為替レートで利用できるようにし、旅行の支払いだけでなく日常的な購買にも使用できるように検討しているほか、後払いの「BNPL(Buy Now Pay Later)」や保険などフィンテックへの展開の可能性もあるとのこと。いずれも、会社が目指す「コネクテッドトリップ」のビジョンに合ったものという。