金沢のタクシー、修学旅行の利用増 コロナで日程短縮、予算に余裕か

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佐藤美千代
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 観光都市・金沢で、修学旅行のタクシー利用が増えている。コロナ禍で、行き先を変更して訪れる学校が増えたことに加え、感染対策にもなるとして選ばれているようだ。定着するかは未知数だが、「将来的にも訪れてもらうチャンス」と関係者は期待する。

 タクシーが使われるのは、中学・高校の生徒が少人数に分かれて計画した行き先を巡る班別自主行動だ。石川近鉄タクシー(金沢市)では昨年10、11月だけで約20件の利用があり、今秋から来春にかけても十数件の予約が入っている。

 金沢の主要な観光スポットは市中心部に比較的集まっている。修学旅行生も従来はバスや徒歩で回ることが多かったとみられ、感染拡大前、タクシーの需要はほとんどなかったという。

 同社取締役支配人の池野学さんは「他の乗客との接触がないタクシーが、感染防止策として選択肢になった面もある。コロナで好材料がない中、唯一の明るい話題です」と話す。標準的な車両なら1台に3、4人が乗る。乗務員の目が届きやすく、地元の歴史、食生活などの質問に丁寧に答えられる利点もあるという。「話ができて楽しかった」と生徒から手紙が届くこともあったそうだ。

 石川交通(同市)でも、昨秋の修学旅行で17件の利用があったという。新幹線金沢駅に着いた生徒を出迎え、兼六園、ひがし茶屋街、近江町市場などのスポットや昼食場所を4~5時間で回るのが代表的なコースだ。生徒が作ったプランを事前に見せてもらい、効率よく動けるよう順番を入れ替えるなど、いかに楽しんでもらうかに気を配る。

 両社とも、修学旅行生に対応できる乗務員や車両の台数に限りがある。生徒数が多く、100台以上が必要な学校には4、5社が合同で対応している。

 石川県タクシー協会によると、コロナの感染拡大以降、北関東の学校を中心に、修学旅行の行き先を北海道や九州、沖縄などの遠方から、陸路で行ける金沢に変更するケースが増えた。日程の短縮によって予算に余裕が生まれ、バスより割高なタクシーを使うことが増えたとみている。

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