架空101人になりすまし、観光支援369万円詐取 名古屋の事業者

小林圭 山下寛久
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 愛知県名古屋市は18日、観光事業者を支援するための事業で、計369万1千円が不正に請求され、だまし取られたと発表した。だまし取ったのは、同市内でホテルと飲食店を運営する男性。県や市は、全額が返金されていることなどから、刑事告発や被害届の提出は見送るという。

 県によると、宿泊施設「ナゴヤ ホステル ザ スリー スマイルズ」(同市中区)と飲食店「幸せを感じるワインと空飛ぶ唐揚げバル バル平」(同)の男性運営責任者は2021年10月~22年7月、架空の客101人になりすまして宿泊や飲食店の売り上げがあったように装い、県から計177万1千円相当の電子マネーをだまし取った。同様の手口で市からも現金192万円をだまし取ったという。

 市に通報があり、男性が調査に不正を認めたため、発覚した。県によると、通常の利用では宿泊代金が1人1泊4500円程度だったのに対し、不正請求では同1万円の料金設定だったという。

 男性運営責任者は朝日新聞の取材に、「社会的に逸脱する行為をして、深く反省している。事実関係を県や市に明らかにして被害弁償した。非常に責任を痛感している」と弁護士を通じてコメントした。(小林圭、山下寛久)

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