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香港ホテル業界に新たな危機、突然の隔離義務撤廃でキャンセル相次ぐ

  • オボロ・グループでは週末に約1500件の予約取り消し
  • 新ルールでは「生き残るのがやっと」、規制緩和要望-業界幹部

香港では新型コロナウイルス対策の入境者用隔離スペースをこれまで提供していた宿泊施設の空室が目立っている。当局はホテル隔離義務を撤廃したものの他の感染対策を継続したため、観光客は香港を敬遠する可能性が高い。

  オボロ・グループのサウスサイドとセントラルは、週末に約1500件の隔離用予約が取り消されたと香港事業責任者のマエル・バスタイン氏は明らかにした。いずれの施設もここ数日は新規予約が入らなかったという。

  ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタルのマネジャー、クリストフ・シャワー氏は、李家超行政長官が23日に入境者に対する3日間のホテル隔離義務を撤廃すると発表した後、ゲストの「大部分が」予約をキャンセルしたと述べた。この発表前には、市内で約2万6200室が隔離用に確保されていた。

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隔離で宿泊する客が窓に貼ったメッセージ(2021年9月)
Photographer: Peter Parks/AFP/Getty Images

  シャワー氏によると、同ホテルは隔離措置撤廃の1カ月前に通知を受けると予想していたが、実際にはわずか3日前で、一般市民と同じタイミングだったという。

  香港当局による突然のホテル隔離撤廃は、2年近くにわたってこの措置に依存してきた60軒余りの宿泊施設にとっては不意打ちとなった。

  新たなプログラムでは、入境者は到着後3日間は自主的な健康観察と検査が引き続き求められる。その期間にバーや飲食店、多くの公共スペースへの立ち入りは禁じられるため、外国人客の早期流入は見込みにくい。

  香港のホテル業界団体の幹部、ウィニー・チャン氏は新たなルールについて、「われわれは生き残るのがやっとだろう」と述べ、できるだけ早急に3日間の健康観察も廃止するよう政府に期待すると語った。

原題:

Hong Kong’s Abrupt Quarantine End Triggers New Crisis for Hotels(抜粋)

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