西武HDの4~6月、最終黒字36億円 鉄道・レジャー回復
西武ホールディングスが4日発表した2022年4~6月期連結決算は、最終損益が36億円の黒字(前年同期は88億円の赤字)だった。最終黒字は同期間として3年ぶり。新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和され、鉄道やレジャー需要が回復した。ただ足元では新型コロナが再拡大しており先行きはなお不透明だ。
売上高にあたる営業収益は前年同期比13%増の1034億円。子会社の西武建設売却の影響をホテル・レジャー事業などの増収で補った。
営業損益は76億円の黒字(59億円の赤字)で、全事業部門が黒字化した。都市交通・沿線事業は24億円の黒字(6億7800万円の赤字)に転換した。西武鉄道の運輸収入はコロナ前の19年4~6月期に比べて83%の水準となった。21年4~6月期(74%)から回復した。
ホテル・レジャー事業の営業損益は1000万円の黒字(117億円の営業赤字)に転じた。国内ホテルの稼働率は39%と低調だったが米国・ハワイの施設で稼働率が回復したほか、一部施設で修繕工事を遅らせるなどして費用を72億円削減した。
23年3月期通期は従来予想を据え置いた。営業収益で前期比12%増の4430億円、純利益で8倍の820億円を見込む。7月以降は新型コロナの再拡大により、鉄道やホテルで需要の回復が鈍化している。鉄道の動力費も上昇しており、コスト削減を急ぐ。