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スイスインターナショナル、デイリー運航を開始−ビジネスの幅広がる

  • 2007年2月21日
 スイスインターナショナル(LX)は20日、チューリッヒ発成田行きのLX168便を運航、同社が念願としていたデイリー運航を実現した。チューリッヒ発のLX168便は107名が搭乗、折り返しの成田発LX169便は212名が搭乗したという。LXアジア・太平洋地区担当部長のマークス・シュミット氏は「4月に日本/スイス間の航空路開設50周年を迎える年に、デイリー化を実現できたことは大きな意味を持つ」と語り、成田空港の国内線未使用発着枠の国際線への振分けで実現したことに対して、国交省など政府関係者に謝意を表した。

 シュミット氏はまた、LXの長距離路線のロードファクターがLX全ネットワークの79.8%を上回る83.8%、このうち日本路線で85%程度という高いロードファクターで、アジア方面の路線のうち、日本線で約55%の収益を占める「重要な市場」と強調。今後18ヶ月でシートのアップグレード、チューリッヒ空港のカウンターへのアクセスの改善などを通じ、顧客ニーズに応えていく考えを示した。

 また、今後のアジア地域での路線展開については、ムンバイ線、バンコク線、シンガポール線、香港線を就航しているが、上海、ソウルなどオフラインながらも事務所を展開する地域を中心に路線展開する可能性を示唆。「数年をかけて増加していく可能性は高い」として、需要を見極めながら対応していく考えだ。


▽デイリー化で営業の幅が広がる

 LX日本支社長の岡部昇氏は今後の営業展開として、レジャー、ビジネスともに様々な可能性を提示する状況が整ったという考え。レジャー需要では、パッケージツアーの造成でもこれまでの週6便では、現地での日数に制約があったものの、デイリー化で「組み合わせが自由になる」と旅程の組み方に幅の広がりが出ることを強調。ビジネス旅客に対しても、「コーポレート契約を締結する最低限の条件が確保できた」とし、グループとしてルフトハンザドイツ航空(LH)、あるいはスターアライアンスとして協力、協調していくことに加え、インハウスなどを中心に旅行会社とも協力し、コーポレート契約を獲得して行きたいとしている。

 また、団塊世代の退職でビジネスクラスを利用する旅客の増加にも期待が高まる。岡部氏は「レジャーでビジネスクラスを利用する方は6月から9月まで需要が多い。ただし、秋、冬、春の季節にもウィンターハイキングで夏の山とは別の姿を満喫される方もいる」とし、引き続きレジャー需要に対して訴求力のある価格を提供していく考えだ。


▽LHとのオフィス統合は「時期の問題」

 LXはLHによる株式取得の際、チューリッヒのハブ機能、長距離路線の規模、「スイス」ブランド名の維持などで合意しているが、海外拠点での協力、その先にはオフィス統合という形も見える。既にLHとは札幌、仙台、新潟、福岡、長崎、鹿児島の計6都市でジョイントセミナーを開催することとなっており、協力体制を取っている。ただし、「統合」までには、コンピューターシステムなど両社の業務の基幹部分のほか、オフィス契約など幅広い観点で検討をする必要がある。こうした点を踏まえ、岡部氏は「インテグレート(統合)するが、時期の問題」と述べるに留めた。

 ただし、統合に加え、LHや全日空(NH)、スターアライアンス加盟各社との協力も欠かせない。NHとのコードシェアについては、日本国内の路線では「本社で詳細に検討している段階」としており、決定はしていないものの前向きに路線展開を考えているようだ。