
偕楽園の梅 |

濃淡の違いを楽しむ |

梅の香りを感じながら園内を散策 |

「好文帝」から眺める満開の梅 |
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春を代表する花木の中で、一足先に花開く梅は春の訪れのバロメーター。冬の寒さも峠を越し、暖かな春を待ち焦がれる頃、その兆しを梅の木に探す――。
日本三大庭園の一つである水戸の偕楽園には、春を求める人々が多く訪れます。
日本一の規模を誇る偕楽園の梅園には、全面積約12.7ヘクタールの半分ほどの敷地に全国の約100品種が3000本植えられており、早咲きから遅咲きの梅まで、長期間にわたって梅が楽しめます。「烈公梅(れっこうばい)」という水戸だけでみられる希少品種もあり、薄紅色の端正なこの花は多くの人々を魅了しています。
そんな偕楽園での観梅を楽しむうってつけの方法があります。その一つは園内の梅の位置を把握すること。早咲きの梅は南側、中咲きは中央、遅咲きは西側に集中しており、開花時期によって来場者の流れ方が変わるといいます。蕾から満開まで、花の変化を楽しみながら、ゆっくり歩くのです。
また、園内の「好文帝」からの眺めもおすすめ。通常、観梅は近寄って下から見るものですが、3階の「楽寿楼」のから、遠目に白や淡い桃色のもこもこした梅の木群を見下ろせば、梅の花の華やかな一面に気付くことでしょう。
極めつけは「梅花道」。「心を静め、朝露の残る園内に足を踏み入れ、梅林の全体をゆっくり目で追う。木立の小道を歩いて枝先の一輪一輪を愛でる…」、といった、梅のすべてを観賞するためのお点前で、そこでは風雪に耐え、苔むした古木の幹を観る楽しみ方にも触れています。
そして最後に花々に近づいて深呼吸――。すると、ふくいくとした春の香りが全身に吹きかかるようです。梅の花は雨上がりや朝露の残るときが一段と香るとか。偕楽園は梅が知らせる春の息吹を全身で感じられる場所なのです。
▽水戸の梅まつり 2月20日〜3月31日
期間中は市民観光ボランティア「歴史アドバイザー水戸」のガイドが、無料観光案内を実施している。
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和の季節 (毎月第1・3金曜更新)
第二十三回 日本一の梅園で感じる春、かおりの風景
――茨城県水戸市 偕楽園
2006. 3. 3掲載
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