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MICEセミナーレポート:求められるのは良い未来を導く企画力と提案力

  • 2011年6月14日(火)
セミナー会場の様子。熱心に講師の話に聞き入る参加者達

 トラベルビジョンは6月2日、六本木アカデミーヒルズ40でMICEセミナー&ワークショップ2011を開催した。セミナーではMPI Japan Chapter会長の浅井新介氏、フォーエバーリビングプロダクツ・ジャパンの海外インセンティブグループグループリーダーである中禮和人氏、電通ソーシャル・ソリューション局スーパーバイザーの藤本旬氏が登壇。また、出展した11の観光局のうち、6観光局がプレゼンテーションを実施した。その模様をレポートする。

MPI Japan Chapter 会長 浅井新介氏

MPI Japan Chapter会長の浅井新介氏

 浅井氏は旅行会社に対し、手配やプランナーにとどまらず、新しいMICEを創り出す「デザイナー」をめざすべきだと訴え、そのキーワードに「つくる(創)」を掲げた。実施前後を含む、MICE全体をデザインすることが重要であるとともに、問題解決のパートナーとして主催者と信頼関係を築き、「企業の良い未来の意思決定をサポートすることが大事」と述べた。

 そのため、今後のMICEで第1の鍵となるのは、会場を手配する「ハコものビジネス」から「ソリューションビジネス」へ変化することだとし、そのために何を解決できるかという自社の得意分野を明確に伝えることが重要だとする。その際、営業部だけでなく社内全員が営業意識を持ち、無料のサービスではなく人件費もきちんと課金することが必要とした。

 また、第2の鍵として、投資効果(ROI)の計測をあげ、開催地やベニューの選択に関する説明責任と、売り上げ調査などによるMICEの効果の提示の重要性を説いたほか、第3の鍵として、SNSなどを活用した情報発信も大切だと述べた。

フォーエバーリビングプロダクツ・ジャパン 海外インセンティブグループ
グループリーダー 中禮和人氏

フォーエバーリビングプロダクツ・ジャパン海外インセンティブグループグループリーダーの中禮和人氏

 中禮氏は旅行会社に求めることとして、「細かな気配りの積み重ね」の大切さを強調した。震災によるキャンセル料の収受でも、最初から書面で満額を請求するのではなく、詳細を丁寧に説明した上で伺いを立てるなど、クライアントの立場を考えた手順を要望。また、しおりや招待状をテーマに沿ったデザインにし、送付書類の封筒や送付状もフォーマットやシールで工夫を加えるなど、旅への期待感を高めるためのちょっとしたひと手間が好印象になると述べ、旅行会社とのやり取りで心に残った「おもてなし」の例として、手書きレターでお土産情報が同封されていたことも紹介した。

 また、企画のテーマ設定に悩む旅行会社が多いことを指摘。しかし、「旅行会社が提案すると難しい企画も、クライアント経由でサプライヤーに頼むと通ることがある」、「最高級を求めて交渉すると、少なくともその次点は実現する」と語り、不可能に思える企画も実現に向け粘り強く考え抜くことをすすめた。

電通 ソーシャル・ソリューション局 スーパーバイザー 藤本旬氏

電通ソーシャル・ソリューション局スーパーバイザーの藤本旬氏

 藤本氏は、新規顧客の獲得につながるソリューション提案のためには課題の把握が重要で、「ニーズ=顧客自身で認識している顕在的課題」と「ウォンツ=潜在的課題」を分析し、ウォンツを捉えることで顧客の評価を得ると述べた。また、企画に関して顧客から多い要望は「テーマ性」であることから、問題解決をもたらすような独自のテーマを持ったツアーの開発が鍵だという。個人ではできない旅行価値の提示が必要だとし、「フランスで一流のブランド力を学ぶ旅」や、中国をアート市場から理解する「中国パワーアートの旅」、富裕層への接客術を学ぶ「京都の祇園でおもてなしを知る旅」などの事例をあげた。

 また、すべての手配を一挙に手掛ける「ワンストップサービス」や、事後評価をフィードバックするPDCAサイクルが顧客の信頼を深めると訴えた。さらに、CSRに注目し、震災後の日本人の消費意識の変化から今後は社会貢献活動が拡大すると予測。企業の新しい動きを捉えて企画に取り入れるよう参加者に促した。

 

マカオ観光局
発表者:マカオ観光局 マーケティングリプレゼンタティブ 齋藤純氏

マカオ観光局マーケティングリプレゼンタティブの齋藤純氏

 齋藤氏はマカオのMICEのポイントとして、東西の文化が融合した世界遺産の街の魅力や日本からのアクセスの良さ、MICE施設やホテルの豊富さなどをあげた。マカオへの訪問者数は中華圏を除くと日本が1位で、2010年は前年比9%増だった。2010年は香港国際空港内に新スカイピアがオープンし、マカオへのアクセスが短縮したほか、2015年にはマカオモノレールも開通する予定だ。2010年には「シティ・オブ・ドリームズ」に水を使った70分のショーが開幕するなど、MICEに活用できる素材も充実。また、MICEダイジェスト冊子が6月に完成しており、営業ツールとしての活用をアピールした。

韓国観光公社
発表者:韓国観光公社 マーケティングマネージャー 伊藤清香氏

韓国観光公社マーケティングマネージャーの伊藤清香氏

 伊藤氏によると、近年のMICEでは韓流スターを呼びたいという要望のほか、アスレチックなど参加者の一体感を味わうプログラムや、製鉄所など韓国の最先端技術の視察、自然遺産の済州島でのエコツアーに人気が集まる傾向がある。また、健康診断や美容マッサージをするメディカルツアーが話題のほか、心身の健康意識の高まりからお寺に宿泊するテンプルステイ・プログラムも新たに登場した。さらに、9月には国際会議にも対応する漢江のフローティングアイランドが全面オープン。西部の「新万金防潮堤」周辺も産業やリゾート開発が計画されているという。

マレーシア政府観光局
発表者:マレーシア政府観光局 インフォメーションオフィサー 佐伯道子氏

マレーシア政府観光局インフォメーションオフィサーの佐伯道子氏

 佐伯氏はマレーシアが都市やビーチ、自然など素材が豊富で、日本市場でのMICEの主流であるインセンティブでも、多様な企画に対応できるとアピール。テーマや目的を求める企業には、社会貢献活動として植樹活動を提案。同氏によるとクアラルンプールから30分圏内に植樹が体験できる施設もあるという。また、ユニークベニューとして迎賓館のカルコサ・スリネガラや世界遺産のブルーマンションも利用可能だ。その他、食事ではマレー料理が日本人になじみやすく、各国の料理が選択可能なため、参加者の満足度も高いことを紹介。旅行会社のFAMツアーでも好評だったという。

カナダ観光局
発表者:ブリティッシュ・コロンビア州観光局 日本地区マネージャー 菊地友子氏

ブリティッシュ・コロンビア州観光局日本地区マネージャーの菊地友子氏

 菊地氏によると、カナダへのMICEの訪問者数は外国人旅行者全体の15%となる230万人で、そのうち175万人がMICE先進国のアメリカからの訪問だ。テーマとして花や秋の紅葉をあげつつ、オフシーズンで割安の冬の開催も提案。ベニューは博物館や美術館、水族館などの貸切も可能で、ビクトリアのブッチャートガーデンなどの庭園や、トロントの中世の館「カサ・ロマ」の利用もできる。また、都市とロッキーなど大自然が近いのも魅力とし、アウトドア体験の豊富なウィスラーやバンフのほか、歴史・文化的な要素では女性に人気のケベックシティやプリンスエドワード島の素材を紹介した。

ラスベガス観光局
発表者:ラスベガス観光局 日本オフィス代表 岡部恭子氏

ラスベガス観光局日本オフィス代表の岡部恭子氏

 岡部氏によると、ラスベガスではさまざまなMICEが開催されるが、日本からの送客はほとんどが「I」。宿泊先やインセンティブに活用できるショーの豊富さなどをポイントとしてあげた。同氏によると2009年にはカジノがないホテルを含むシティセンターがオープン。2010年は客室にテラス付きのホテル「コスモポリタン」が開業するなど多様な種類のホテルがあり、他のアメリカの都市と比べると客室の平均単価も安いのが魅力だ。また、英語が理解できなくても楽しめるショーも豊富で、2013年にはシルク・ドゥ・ソレイユによるマイケル・ジャクソンをテーマにした常設ショーが始まるという。

オーストリア政府観光局
発表者:オーストリア政府観光局 マーケティングマネージャー 神田博夫氏
ウィーン在日代表部 アシスタントマネージャー 福田明子氏

(右から)オーストリア政府観光局マーケティングマネージャーの神田博夫氏、ウィーン在日代表部アシスタントマネージャーの福田明子氏

 神田氏によると、日本市場で力を入れているのは「I」。宮殿や貴族の館、博物館、劇場など、日本では手配が難しい歴史的建造物をベニューに活用できるのが魅力だ。パーティのアイディアも豊富で、音楽が有名な国であるため生演奏のアレンジが容易に可能。ザッハトルテ作りなど独自のアクティビティも人気だという。また、福田氏によるとウィーンは宿泊施設も豊富で、400軒のホテルに2万6000室を擁し、2012年までに3000室が増加する予定だ。なお、ウィーン・コンベンションビューローでは無料でベニュー探しなどを協力しており、ベニューカタログも配布中だという。

 

取材:福田晴子

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