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MICEコラム:(3)「発信する力を鍛える」

  • 2011年7月19日(火)

 「Is Social Media Fad?(ソーシャル・メディアは一時的な流行か?)」は一般のマーケティングや営業に関わる人だけではなく、旅行会社の皆さんも視聴することをお勧めするビデオです。

 日本語版もYoutubeにアップされていますので、ご覧になることをお勧めします。(リンク

 今回はソーシャル・メディアも含め、広報や宣伝の領域に関わる人達だけでなく、MICEも含め旅行に関わる人達が、いかに「発信する力を鍛えること」が現代では必要なのかを考えてみたいと思います。

 マーケティングや営業を考えたときに、20世紀と21世紀の大きな違いがみえます。20世紀型は高度経済成長で市場も右肩上がりで、自社中心(自己中心)の考え方で全ての仕組みが決まっていたように思えます。反対に、21世紀型は市場中心で、市場よりNeedsやWantsを吸い上げる顧客中心の時代に変化しています。

 日本の旅行会社のとくにアウトバウンドでは、国のオープン・スカイの依然としての遅れで、航空運賃は旅行会社からしか魅力のない価格のものは買えないという長い歴史があり、今もその状態が続いています。

 結果としてレジャーの世界では、当然包括旅行という考え方のもとに、旅行会社があごや枕もセットしたパッケージ・ツアーが主力を占めてきました。

 一言で言えば、全て旅行会社が自社の考え方で創ったものをトップ・ダウンの流れで市場にデリバーしていたこととなります。旅行会社へのセミナーやワーク・ショップを通じて、「何が一番の問題か?」を議論すると、一番の問題は「顧客を知らない。顧客を理解していない」が一番多いのがこれを証明しています。自社(自分)中心の商品やサービスの提供は結局は顧客或いは顧客企業との継続した関係の構築に大きな障害となるのです。

 今後、薄利でリサーチを計画したりと、投資などとは縁遠い旅行会社はどのように顧客の要望をマーケティングし、顧客の要望をしっかり受け止め、市場に合った商品やサービスを提供することが可能となるのでしょうか?

 ITの発達のお陰で、発信するという行為が、身近で、簡単に、大量に、安価で瞬時に可能な時代が到来しています。企業の宣伝部、広報部といった大きな部署でなく、個人でも発信は可能だと認識することが大切です。

 具体的に身近な事例を二つ挙げて解説して見ましょう。

(その1)顧客へのメールマガジン

 親しくしている旅行会社の若い営業パーソンで毎週、メルマガを送ってくれる人がいます。例えば、今パリでインセンティブの世話をしているとの近況。最近パリでのトレンディなレストランや、オープンしたホテル、ユニーク・ベニュー、季節の情報、それと同時に彼の会社の魅力的なパリへのツアー情報。

 もちろん、彼の今まで名刺を交換した顧客へは同じようなメルマガが毎週届いているはずです。

(その2)名刺の裏を自己紹介に活用

 旅行会社の人達と名刺を交換すると、表が日本語で、裏が英語という事が多いのです。

 私が意地悪に、「あなたの顧客って半分は外人ですか?」と尋ねると、ほとんどの人達は100%、日本人を相手にビジネスをしているのです。

 これなどは全くの無駄なことで、日本人相手の営業をしているのであれば、名刺の裏面は自己紹介に使えば効果が抜群になることはいうまでもありません。あなたの趣味、得意なデスティネーション、好きな食べ物、強みや情報などをプリントしておいて、100人も名刺交換をすれば、決まって何人かは、共通するトピックスがあるはずです。

 実際IT関係の経営者で、これを実践している友人がいて、彼のビジネスを理解するツールとして活躍しています。

  (その1)のような個人レベルの発信にしても、大きな変化が未来に現れたり、見込み客を創造するツールとして有効です。それは以下の理由からです。経済が右肩上がりの時代ではない未来においては、新規獲得という発想よりも、いかに顧客を維持していくかという思考回路が不可欠です:

(1)Face to Faceの営業活動では、1日に目一杯実施しても訪問数は一桁が限界
(2)顧客が常に身近な存在として、あなたを認識する
(3)実際のFace to Faceの営業活動の間の空白を埋めるクッション活動となる
(4)情報や知見を整理して発信すると、顧客は営業ではなく、あなたに価値を感じるようになる
(5)例えば10人の社員でも、ひとり100社のメルマガを1週間に1回実行することにより、市場と週に1000件のタッチ・ポイント(コンタクト・ポイント)、年間5万件以上のコンタクト・ポイントが可能

 最後に旅行会社の人達にアドバイスをしたいのは、本業の旅行業の他に何かの協会やサークル活動に参加し、ネットワークを拡大するという考え方です。以前コラムにも書きましたが、「大切なのは、何を知っているかではなく、誰を知っているか?」です。

 「全ての世の中の良いことは、人との出会いでしか起こらない」ぐらいの考え方を持った方が良いのです。特に協会や団体などは、それだけで多くのMICE活動を計画していますから、勉強にもなります。

 時間の制限やコスト的なことで、協会やサークル活動が無理であるならば、ネットを通じてのソーシャル・メディアなどを通じての発信もあります。

 英国では、映画にもなったFacebookのユーザーは人口の半分に達し、インターネットのトラフィックの半分はFacebookと統計も出ています。残念ながら我が国のユーザーは人口の3%ぐらいですが、それでも300万近いユーザーに何かを発信するツールとしては、個人のFace to Faceでのアプローチと比べ、大変パワフルなツールであるはずです。

 Facebook等、ソーシャル・メディアを理解して頂けるには、是非Youtubeの動画を参照して下さい。震災後、絆の大切さがますます高まる未来であると同時に、第3者の評価を人は信じると言う統計も出ているようです。

 あなた個人(自社)のTop Downの営業よりも、発信の仕組みを作ることにより、第3者にあなたの組織のプロダクツやサービスの優位性を語らせることが、良い成果を上げると確信します。

 MICE的に考えると、20世紀は先にMICEありきで、そこでコミュニケーションが発生し、後にネットワークが構築していた。と考えられます。

 一方、新しいソーシャル・メディアの世界ではネットワークがインターネットを通じ構築され、その結果リアルで人がコミュニケ-ションする機会としてのMICEが計画されるという選択肢が完成されつつあるといえるかも知れません。

 ソーシャルのネットやリアルの協会・団体等に参画し、発信力を高めることで、新しい価値観を持った、FACE to FACEが創造されるかもしれません。

 

筆者:MPI Japan(Meeting Professionals International)Chapter 浅井新介 名誉会長

プロフィール

MICEビジネスのプランナー/サプライヤーとして30年に渡る経験を持つ。ウェスティン・ホテルズ極東地区営業支配人、ユナイテッド航空代理店担当課長、法人営業部長、日本地区旅客営業部長を歴任。スターウッドホテルズ日本の依頼により、再建下の宮崎のシーガイアにセールス・マーケティングの責任者として赴任。海外、国内の数千名規模のMICE獲得と受け入れに成功し、リゾート再生に貢献した。財団法人日本ホテル教育センターMICE塾塾長。

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