• マーケットトレンド
  • ケーススタディ
  • スペシャリスト
  • べニュー
  • セミナーレポート
  • コラム
  • ディスティネーション

MICEケーススタディ:オーガナイザーの求めるもの-FLPジャパン

  • 2011年7月12日(火)

MICEは事業の原動力、独自の企画でオリジナリティを

 アロエベラ製品の販売を取り扱うフォーエバーリビングプロダクツ・ジャパン(FLPジャパン)は、全国のディストリビューターを対象に、年間を通して多種多様な研修旅行やインセンティブツアーを実施している。海外インセンティブとしては、アロエベラの生産地を訪ねるアメリカへのツアーのほか、太平洋沿岸地域でのツアーを開催。企画は旅行会社出身である営業企画部海外インセンティブグループグループリーダーの中禮和人氏が担当しており、独自に企画し、旅行会社に販売を依頼しているオプショナルツアーの売れ行きも好調だという。中禮氏に同社のインセンティブツアーの成功事例を聞いた。

目的は「教育」や「リフレッシュ」 開催地はキャパシティと「グレード感」で決定

「アロエベラふるさとセミナー」では、同社商品の原料であるアロエベラの畑を実際に見学。現地スタッフとのふれあいも

 中禮氏によると、「ネットワークビジネスの企業にとって、MICEは事業の原動力として不可欠の要素」だ。同社は特に開催数が多く、本社主催のものと地方の各営業拠点で独自に実施する連絡会議やトレーニングセミナーを合わせると、年間を通して常に何らかのMICEが実施されている状況だという。

 海外インセンティブツアーは年に5種類を実施。春と秋の「アロエベラふるさとセミナー」は300人から500人で、アメリカのフェニックス、ダラス、ラスベガスを9日間でめぐり、アロエベラの畑や工場、アメリカ本社を見学する。年収1000万円以上を達成したディストリビューターは招待されるが、有料での参加者もいる。

 このツアーの目的は、ディストリビューターが商品の理解を深め、本社役員との直接の触れ合いによる感動を得るとともに、顧客に商品の良さを伝えられるようになること。「日ごろの営業活動で挫折感を味わうことがあっても、生産現場を見て、役員に勇気付けられることで、確固たる自信が生まれる」効果があるという。見学内容の予習復習を欠かさず、教育的要素の強いプログラムが特徴だ。同社のMICEで最も予算をかけているツアーだという。

 一方、毎年1月に300人から500人で実施する3泊5日の「PCMリフレッシュセミナー」は、「リフレッシュ」を最大の目的とするインセンティブツアー。開放感を自由に楽しんでもらうため、到着日と最終日の会食以外は、ほとんどがフリータイムだ。開催地はハワイが多く、理由は「この人数に対応するホテルやパーティの選択肢、航空座席のキャパシティが豊富」であるためで、「企画担当者にとってリスクの少ないデスティネーション」だという。その他、バリやオーストラリア、シンガポールなどでも開催しており、来年はニュージーランドの予定だ。中禮氏は、「招待旅行の場合、参加者は自分ではなかなか行けないグレード感のある地域を希望する傾向があるので、多少距離のある行き先が良い」と述べる。

温かな交流を生む「手づくり」企画 参加者の評価ではホテルも重要

オリジナルのオプショナルツアーとして、芸能ジャーナリストで写真家の相楽晴子氏と行くビーチ撮影ツアーも企画。ハワイらしい風景の写真撮影を参加者一同楽しんだ  リフレッシュセミナーでのユニークな事例の一つとして、中禮氏は昨年ハワイ島で実施した際のウェルカムランチ・セレモニーを挙げた。宿泊したホテルの営業部長が子どもたちにフラを教える先生でもあったため、参加者のホテル到着に合わせてケイキフラ(子どものフラ)のショーが催され、参加者から拍手喝采だったという。また、歓迎のスピーチに訪れたビッグアイランド観光局のスタッフが元歌手だったことから、歌とフラを披露してもらった。同社スタッフのほか、飛び入りで参加者も加わって歌い踊り、「島をあげてのおもてなしで、手作り感いっぱいのウェルカムランチが実現した」と中禮氏は語る。ほぼ無料での協力だったという。

 リフレッシュセミナーでは、3泊5日の旅行期間中に、「フォトコンテスト」も実施している。これは参加者が旅行中にデジカメで撮った写真を、ホテル内に受付デスクを設けて募集するもの。中禮氏が、視聴者の写真を使ったテレビCMから発想を得て企画した。このコンテストでは、写真データ受け渡しの際に参加者とスタッフとの間で交流が生まれるのが良い効果の一つともなり、毎年大盛況だという。その場で手軽に応募できるだけでなく、帰国後は写真が機関紙に掲載されるため、旅行の感動が長く持続する効果もある。中禮氏は「デスティネーションに関わらずできる企画」と語る。

 また、今年1月にマウイ島で開催したリフレッシュセミナーでは、宿泊するグランドワイレア・リゾート・ホテル&スパに焦点を当て、招待状でも写真を大きく使ってアピールした。その結果、参加者アンケートでは「ツアー前に期待していたこと」でも「ツアーを終えて印象に残ったこと」でも1位がホテルとなった。「優雅な時間が過ごせた」「プールで楽しく遊べた」「部屋からの景色が素晴らしい」といったコメントが寄せられ、中禮氏は満足度を高めるために「やはりホテルは大事」と強調する。

オプショナルツアーを独自に企画旅行会社への期待は「ホスピタリティ」

 参加者アンケートによると、行程2日目となるフリータイムの過ごし方の1位は「オプショナルツアー」だ。同社では旅行会社が用意する定番商品に加えて、オリジナルのオプショナルツアーを提案し、旅行会社に商品を販売してもらっている。マウイ島では、「ホエールウォッチングクルーズ」を企画したところ、240人中40人が申し込む人気商品となった。旅行会社では最初取り扱いがなく、中禮氏は「日本語ガイドがいなかったためでは」と推測するが、その点はダイビングの日本語ガイドを手配して対処できたという。

 そのほか、ホノルルではオプショナルツアーとして、シェラトンワイキキの最上階にあるレストランの貸切二次会プランを66万円で販売。高額のため旅行会社としては「二の足を踏んでしまう」企画かもしれないが、同ツアーの参加者には年収1億円5000万以上の参加者もおり、こうした高所得者から申し込みがあった。コンドミニアムの物件を視察する「不動産GETしようツアー」企画も好評で、1700人中100人が集まったという。中禮氏は、「現地のホテルや観光局からは面白い素材を提供されるが、旅行会社は販売ルートに阻害され、定番ツアーを扱うしかない構造がある」と指摘。しかし「プランナーの立場からは思い切った提案が可能」だという。

 同社は旅行会社に対し、オプショナルツアー販売と航空券の仕入れ、参加者データのハンドリング、食事の手配を依頼している。旅行会社に最も期待するポイントは、「ホスピタリティ」だ。企画の大枠はプランナー自身で組み立てるが、その隙間を埋めるような細やかな心配りのアイディアを求めているという。たとえば、「ここでおしぼりのサービスを」「この待ち時間に飲み物を提供しては」といった案だ。また、企画力に関して中禮氏は、「旅行会社は添乗員も外注が多く、現地で経験を積むのが難しい状況」と認めつつ、そのような中でも、「インターネットや本、社内にいるプロフェッショナルを活用し、情報を貪欲に取りに行く努力も必要では」と進言した。


取材:本誌 栗本奈央子

こんにちは、ゲストさん

ログイン

PHOTO NEWS