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MICEで企業の課題を解決できる人材育成を-受注しやすい環境整備も

  • 2012年3月14日(水)

適性を見た人材育成を
MICEを「取りやすい」環境整備を

MPI Japan Chapter名誉会長の浅井新介氏  では、こうした点を踏まえ、どのようにMICEに適した人材を育成していくべきなのか。浅井氏は、日本の旅行会社の人材育成方法は「ホームルームの延長線上の研修だ」と批判。全員がある程度のレベルに達するよう一律に研修を実施しているが、「既に(個人の能力に)でこぼこがあるのが見えていない」と指摘する。例えばMICEの営業の場合、100人のうち10人の適した人材を選択し、100人にかけるコストを10人に集中的に費やす。公平感を重視し、ジェネラリストを育てるのではなく「向いている者を積極的に育てる方がプロは増える」という。そして、営業1名につきアシスタントを2名つけるなど、営業をサポートしていく体制も必要とした。

 また、人材育成のためには会社の評価システムも変更すべきだとする。旅行会社は単年主義であり「今年の数字で生きているので、来年の仕事をとってきても評価されないのでは」と浅井氏はいう。MICE営業担当者は目先の数字目標を達成するため、先の大型案件ではなく、利益が低くてもすぐに数字が動く小規模団体のバス旅行などを取りにいく傾向があり、長期的な視野でのMICEの提案が難しい現状があるとした。

 浅井氏は「MICEは先が見える。未来を担保にするのがMICE」と説明。例えば3年のスパンで利益を考え、1年目と3年目が赤字でも、2年目の契約で3年間をカバーできる収益が上がる、といった発想でビジネスを展開していくべきと語る。

 さらに、社内での情報共有の大切さを説く。経験を情報として蓄積、共有することで、MICEの継続的な受注につながるからだ。例えば、分野ごとにチームを組み、その方面で経験豊富な部長クラスがリーダーとなり今までの蓄積した経験を社員に伝え、啓蒙しながら取り扱い拡大をはかる。また、社内のイントラネットを活用し、今まで利用した施設に関する情報を共有することもできる。

 加えて、MICE終了時に企業へのアンケート調査を実施し、今後のMICEに活かすためのデータを収集する。浅井氏によると、大手旅行会社を中心にここ2、3年でそうした動きがでてきており、人材育成にも繋がる動きとして評価する。

 こうした方法を活用し、旅行会社は「それぞれ自分たちのリソースとスペックで何が出来るのかを考えて」人材育成を実施する必要がある。旅行会社はそれぞれ規模や得意分野が異なる。大手旅行会社ならではの大規模なMICEもあれば、中小旅行会社のネットワークを活かしたテーマ性のあるMICEもある。各社、各スタッフの個性や得意分野を活かしたMICEを提供すれば、他社との差別化もはかれる。浅井氏は「MICEはうまみがありそう、という考えだけでは少しもよくならない」とし、「自分たちのターゲットやゴールを明確にし、人材育成にあたってほしい」とした。




取材:本誌 栗本奈央子

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