ビジネスジェットの基礎知識(1):市場規模と潜在需要

欧米に比べ規模が小さい日本市場
規制緩和で成長に期待

  • 2016年7月7日(木)

欧米より2桁少ない日本の着陸回数

北林氏  JBAAによれば、15年3月末時点の日本のビジネスジェット機の保有機数は85機。このうち自衛隊機を含む公用機が58機あるため、民間機は27機でしかない。これとは別に日本人や日本企業が、米国籍の機体を所有してビジネスジェット機として利用しているケースが20数件あるため、日本で利用されている民間のビジネスジェット機は実質的に約50機と考えられる。実に米国の260分の1に過ぎないわけだ。

 ビジネスジェット機の空港発着回数も、日本は世界各国の空港と比較すると極めて少ない。たとえばニューヨークのビジネス機専用空港であるティータボロの着陸回数は、14年は年間10万回を超えており、ロンドンのファーンボロは約2万2500回、パリのルブルジェは約5万8000回だった。

 一方、15年の日本籍のビジネスジェット機の着陸回数は、名古屋小牧が565回、八尾が347回、松本が325回、羽田が321回、庄内が249回と続き、合計では前年比5.8%減の3731回だ。外国籍ビジネスジェットの着陸回数は、羽田が1148回、成田が448回、関空が367回、新千歳が259回、中部が121回、名古屋小牧が55回などとなっており、合計は25.0%増の2732回。日本籍と外国籍の合計は5.1%増の6463回に留まっており、欧米主要国の1つの空港の着陸回数が日本の総着陸回数より1桁も2桁も多いのが実態だ。


定期便を優先する日本の航空市場

 日本のビジネスジェット利用がこれまで進んでこなかった理由には、歴史的な背景がある。北林氏は「経済成長期に航空需要が急増し、しかも首都圏中心の需要に対応するには、発着枠に限界があるなかで機材の大型化をはかる必要があり、定期航空便を優先することが求められた」と事情を説明。副会長(取材当時。現在は特別顧問)の佐藤和信氏も「第2次世界大戦の敗戦で航空事業が一旦ゼロになり、そこから航空事業を復興するには、とにかく急いで定期便を拡充していくしかなかった」と補足する。

 北林氏は、こうした歴史的背景から、「航空機の運航に関わる空港、発着枠、整備規定など、すべてが定期便を中心に形作られてきたことが、ビジネスジェットの普及を妨げてきた」と語る。また、日本では「ビジネスジェットは贅沢品」との偏見も根強いことが、世界の潮流から取り残される一因となっているという。

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