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旅館に泊まって支援、“未来の宿泊費を今払う”プロジェクト

 震災の影響で経営難におちいった東日本の旅館を救済する“種プロジェクト”が、支援者と旅館それぞれを募集している。同プロジェクトは、被災地の宿を支援したい人に“旅館サポーター”になってもらい、将来宿泊する際の料金の一部を宿に前払いしてもらうもの。直接的な宿の支援だけでなく、その地域の復興にも繋がるよう、実際に泊まりに行ってもらうことに焦点を当てている。

 サポーターは、プロジェクトのウェブサイトで登録後、サイト内の旅館リストの中から支援したい旅館を選び、1口5000円から、宿の口座に購入口数分の前払金を入金する。現時点で掲載している旅館は5軒のみだが、すでに100人がサポーターになっているという。

 事務局によると、これまでサイトの利用者などから、「支援したい旅館がない」など掲載数増加の要望が多く寄せられていたといい、現在は100軒の掲載をめざして活動しているところ。この過程で、従来は“支援”の意義を強調していたが、旅館側から「自分のところよりも厳しい旅館があるのに、支援して欲しいとは言いづらい」という声があり、現在は宿泊すること自体の意義を打ち出している。

 なお、前払金の使途は旅館側に委ねられており、前払金を支払ってから宿泊しに行くまでに経営が立ち行かなくなるような可能性もあり得る。事務局では「そういったリスクも含めてサポートと考えていただいている」としつつ、「サポーターになる方が一度泊まって気に入った旅館であったり、いつか泊まりに行ってみたいと思った旅館であったり、もともとそういった(ファンを増やせる)経営姿勢を持っているところが支援を受けられる」システムだと説明した。


▽旅館サポーター制度「種プロジェクト」サイト
http://save-ryokan.net