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2021年1月の国際観光客到着数は87%減少、アジア太平洋は96%減に。回復は2021年下半期と予測 —UNWTO

2021.04.06

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新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界の観光に与える壊滅的な影響は、2021年現在も続いている。UNWTOの最新データによると、2021年1月の国際観光客到着数は2020年と比べ87%減少していることが分かった。2021年の見通しとしてUNWTOは引き続き慎重な姿勢を見せており、観光の安全な再開と、観光セクターの次の1年間の大きな損失回避のために、各国間の旅行プロトコルのより強力な調整を求めている。

新型コロナウイルス感染症の変異種の発生に対応して各国・地域が旅行制限を強化したことで、2021年初めの世界の観光業はさらに後退を見せた。強制的な検査や、隔離、国境の完全な閉鎖などが海外旅行の再開を妨げ、予防接種の展開の速度と分布は予想以上に遅れており、観光の再開が遅れる要因となっている。

全地域が大打撃、アジア太平洋地域では96%減

最も厳しい旅行制限が引き続き実施されているアジア太平洋地域では、1月の国際観光客到着数が最大の減少となる-96%を記録した。 ヨーロッパとアフリカはどちらも到着数が85%の減少となり、中東は84%の減少だった。アメリカは、2020年第4四半期の結果が上向いたものの、1月には77%の減少となった。

2021年の見通しに関する2つのシナリオ

2021年2月初旬の時点で、全世界の国・地域の32%が国際観光客に向けて完全に閉鎖されていた。UNWTOは、2021年の最初の数か月が世界の観光業にとって引き続き厳しいものになると予想している。

現在の傾向から、2019年の同時期と比較すると、2021年の第1四半期の国際観光客到着数は85%程度減少するとUNWTOは予測している。これは、パンデミック前のレベルと比較した場合、約2億6000万人の国際観光客の損失に相当することになる。 将来を見据え、UNWTOは2021年、2つのシナリオを提示しているが、これは2021年下半期の海外旅行回復の可能性を考慮に入れたもので、特に旅行制限の大幅な解除、予防接種プログラムの成功、または欧州委員会によって計画されたデジタルグリーン証明書などのバランスの取れたプロトコルの導入など、多くの要因に基づいたものになっている。

1つ目のシナリオでは7月からの回復を予測している。2020年と比較して2021年の国際観光客到着数が66%増加する。この場合でも到着数は2019年に記録されたレベルを55%下回ったものとなる。2番目のシナリオによると、9月の部分的回復を予測しており、2020年と比較すると国際観光客到着数が22%増加するというもの。この場合でも、2019年のレベルを67%下回るというものだ。

UNWTO事務局長は、「2020年は観光業にとって史上最悪の年でした。 国際社会は、2021年をより明るいものとするために、強力かつ緊急の行動を取る必要があります。観光への信頼の回復と、夏の旅行シーズンに先立ち、国際旅行を安全に再開できるようにするために、各国間の調整の改善と旅行と健康プロトコルの調和が不可欠」と述べている。

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